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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 疾風ロンド

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2016年 東映

監督:吉田照幸

出演:阿部寛, 大倉忠義, 大島優子 

【あらすじ】

違法生物兵器・K-55が盗まれ、秘密裏にその捜索を命じられた研究員・栗林。手掛かりのない中、犯人死亡の知らせを受けた栗林は、遺品の中からK-55が隠された場所を特定するが…。

 

東野圭吾阿部寛といえば、なんといっても加賀恭一郎ですよね。
麒麟の翼、祈りの幕が下りる時というイメージがあったのですが、ちょっとこれまでとは違った感じで、こいうスポーツものもあるんだという感じで観てました。東野圭吾原作ということで、上質なミステリーを想像される方は裏切られた感があるような作品かな。サスペンス要素は非常に少ないです、むしろコメディ寄り。(笑) なのでサスペンスを期待して観るとちょっと肩透かしを喰らうかもしれません。大島優子が意外と小柄なのと、スケボの上手さが目をひいた作品でした。

🎬 隠し剣 鬼の爪

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2004年 松竹

監督:山田洋次

出演:永瀬正敏, 松たか子, 緒形拳, 吉岡秀隆

【あらすじ】

 『たそがれ清兵衛』に続いて山田洋次監督が藤沢周平原作の短編小説を元に描いた時代劇ドラマ。幕末を迎えた頃の東北の小藩・海坂藩を舞台に、下級武士である片桐宗蔵と片桐家に奉公に来た娘・きえの切ない恋の行方、 幕末の海坂藩を舞台に、新しい世の中と侍の世界との間で揺れ動く一人の下級武士を中心に描いた時代劇

 

山田洋次監督作品は安心して観ていられるのが一番いいですね。「たそがれ清兵衛」の真田広之と、この「隠し剣 鬼の爪」の永瀬正敏が主人公を演じる両作品はともに山田洋次監督の作品で、どちらの主人公も藩の下級武士として貧困に喘ぎ、剣の腕はたつが幕末という武士の時代が終わろうとしている流れの中で、決して格好良くもなく、泥臭さをまといながら消えゆく武士の悲哀というものを、とてもまっすぐに表現していました。

隠し剣というのはおそらくあの場面のことだとうと思うのですが、緒形拳もいい殺され方をしていました。ちょっと必殺ぽい感じがしましたけど、田中邦衛もちょい役で観られたのがよかったです。この山田洋次監督の時代劇三部作はいいですね。

🎬 劔岳 点の記~

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2009年 東映

監督:木村大作

出演:浅野忠信, 香川照之, 松田龍平, 仲村トオル, 宮崎あおい

【あらすじ】

明治時代末期、陸軍参謀本部より日本地図最後の空白地点、劔岳の登頂を命じられた測量手の柴崎芳太郎が、案内人の宇治長次郎ら仲間と共に山頂を目指す。

 

とにかく映像が美しい。これだけで見る価値があると思います。山肌の陰影、雲海、空のグラデーション、それに遠くに見える富士山。ボーッと見ているだけでも心が洗われます。日本の山は美しいとつくづく思わせるさすが映像カメラマン木村大作ここにありという初監督作品を堪能させていただきました。それと香川照之。この役者は本当にスゴイですね。どこまで行くんだろう。彼の演じる長次郎の木訥さと誠実さが、そのまんま日本の山岳風景、当時のこの国の社会の原点(とは飛躍しすぎかな?)に見えてきます。案内人に徹した演技は素晴らしいものがありました。。「何のために山に登るのか」というメッセージから、人の目的と生き方を問い返していますが、「地図を作るために命をかけて山に登る」という答えは,今の我々の時代にとっては考えさせられる命題です。

 

🎬 狐狼の血

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2018年 東映

監督:白石和彌

出演:役所広司, 松坂桃李, 真木よう子江口洋介石橋蓮司

【あらすじ】

昭和63年、広島・呉原―。そこは、未だ暴力団組織が割拠し、新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の「加古村組」と地場の暴力団「尾谷組」との抗争の火種が燻り始めていた。そんな中、「加古村組」関連企業の金融会社社員が失踪。失踪を殺人事件と見たマル暴のベテラン刑事・大上と新人刑事・日岡は事件解決の為に奔走するが、やくざの抗争が正義も愛も金も、すべてを呑み込んでいく…。

 

いやー実に骨太の作品でした。昨今は色々とハラスメント関係が問題になる世の中で、よくぞこの映画を世に送り出した、東映並びにスタッフの方々、白石監督の脚本と演出には脱帽で御座います。あっぱれです。冒頭からえげつない拷問シーンでつかみはばっちり、これがいやなら見ないで結構というメッセージがこもっていた感がありありでした。演者に関しては、役所広司さん抜群です。言う事は一言も御座いません。このアカデミー賞は大納得です。それと脇役ながら性悪のヤクザの親分を演じさせたら横に出る者はいない石橋蓮司の演技も光ってました。江口洋介に首を切り取られて便器に捨てられる血だらけの首だけの顔は久しぶりに凄い映画を観たなっていう鳥肌ものでした。綺麗ごとだけではいかんともしがたい現実が世の中にはあります。果たしてその世の中における『正義』とは一体何なのか。そういったことも考えさせられる重いテーマを含みつつエンタメとしても楽しめる作品でした。 

 

🎬 舞妓haaaan

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2007年 東宝

監督:水田伸生

出演:阿部サダヲ, 堤真一, 柴咲コウ, 小出早織, 植木等

【あらすじ】

修学旅行で訪れた京都で舞妓と出会って以来、舞妓の熱狂的なファンとなった鬼塚公彦。“舞妓はんと野球拳!”を夢見る公彦は念願の京都支社への転勤が決まり、恋人の富士子を捨て、意気揚々と京都入りするが…。

 

こんな話あるわけない、という映画でした(笑) んな訳あるかい!な展開ストーリーですが、主演を演じる阿部サダヲ、シリアス~コメディまで幅広くこなす堤真一、こういう役をやらせたらピカイチな伊東四朗らに加え、柴咲コウ生瀬勝久、チョイ役だけど存在感抜群の北村一樹ら多くの一流キャストが大暴れするコメデイです。それと植木等の遺作となっていますので、ちょい役ですけど最後のお姿を見ることができます。京都の置屋や舞妓さん文化の勉強にも・・・とはならないかもしれませんが、ハチャメチャなストーリーは時間を忘れ理屈抜きで楽しめます。こういう作品を、馬鹿らしい、ある訳がないといった一言で済ませる人間にはなりたくないな。

 

🎬 そこのみにて光り輝く

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2014年 東京テアトル

監督:呉美保 

出演:綾野剛, 池脇千鶴, 菅田将暉, 高橋和也

【あらすじ】

ある出来事を機に仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごす佐藤達夫。ある日、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児と知り合った達夫は、拓児の姉・千夏と出会い惹かれていく。 

 

重くて、昏い、深い底に生きる人間たちの映画です。
絶望というよりも諦観に近い、自分を殺して生きている男と女の恋愛映画でもあります。どうしようもない境遇で、生き方さえ分からなくなっている女性を池脇千鶴さん、これは熱演でした。過去の事故から逃げられないまま、言葉や感情を失っている男性を綾野剛さん、これも好演です。その二人とは対照的な感情表現豊かなバカを菅田将暉くん、歯の色が加わってさらなるバカになっていたのでこれも光っていました。実に重たい作品でしたけど見終わった感は悪くはなかったです。原作もあるようですので、一度読んでみて、また改めて見てみようと思う作品でした。心が元気な時に観ることをおすすめします。

 

🎬 ピンクの豹

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1963年 ユナイテッド

監督・脚本:ブレイク・エドワーズ

出演:ピーター・セラーズ,デイビッド・ニーヴン, クラウディア・カルディナーレ

【あらすじ】

世界中の宝石泥棒が狙っている“ピンクの豹"と呼ばれる巨大なダイヤモンド。ダイヤの中に見える傷がピンクの豹に見えることからそう呼ばれる。このダイヤの持ち主はヨーロッパの美しいプリンセスだった。宝石を狙う怪盗ファントム。そしてファントム追跡を命じられたクルーゾー警部は行く先々でドジを踏み、とんちんかんな騒ぎを引き起こす、果たしてファントムの正体を暴けるのか……!?

 

ご存じのクルーゾー警部が大活躍するピンクパンサーシリーズの第一作目です。何故かこのシリーズをもう一度観たくなってDVDBOXをポチってしまいました。1作目がクルーゾー警部は準主役という扱いなんですね。ハチャメチャなストーリーですがこれから少しずつクルーゾー警部を楽しみたいと思います。しかし、ピーター・セラーズは54歳で亡くなっていらっしゃるんですね。今更ですが老いたクルーゾー警部も観たかったなぁって思ったりもします。