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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 記憶にございません

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2019年 東宝

監督、脚本:三谷幸喜

出演:中井貴一, ディーン・フジオカ, 石田ゆり子, 草刈正雄, 佐藤浩市

【あらすじ】

病院のベッドで目が覚めた男。一切の記憶がない。ふと見たテレビのニュースに自分が映っていた。演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相。そう、なんと、自分はこの国の最高権力者で、石を投げつけられるほどに…すさまじく国民に嫌われている!真実を知るのは秘書官3名のみ。よりによってこんな時に米国大統領が来訪!記憶を失った男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻す!果たしてその先に待っていたものとは…!?

 

政治家の名言であり、決まり文句!『記憶にございません!』この作品は、本当に記憶がなかったら、どんなことが巻き起こるのか、それを『時に笑い』『時にほっこり』しながら楽しむ映画です。内閣総理大臣が記憶喪失という設定から始まる有り得ないストーリーですが、政治の内情ってこんな感じなのかな?と思えるおもしろい作品です。総理を演じる中井貴一さんの演技がうまいですね。本当の総理になれそうな感じかなと思いました。政治を舞台にしたコミカルなとてもいい作品だと思います。出演者に田中圭がいたのはびっくりでした(笑)。政治という『大きな世界』を使いながら、周りの人達との『小さな世界』を、丁寧に描いている作品です。『ゆったり』とか『ほっこり』な、頭を使わず『ただ、ただ』楽しむのみ!そんな作品ですね。

🎬 きよしこ

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2021年 NHK

原作:重松清

出演:安田顕 西田尚美 吹越満 菊池風磨 千原せいじ

【あらすじ】

きつ音のため思っていることを上手に話すことができず、ひとりぼっちだった少年は、様々な人と出会うなか「伝えること」を諦めないおとなに成長していく…

 

今日は映画ではありません。NHKで今年の3月に放送されたドラマです。原作は重松清さん。おそらく原作者の自分のことを書かれているように思います。きつ音をテーマにした作品は「英国王のスーピーチ」が有名どころですが、このドラマもしっかり作られていたと思います。タイトルの「きよしこ」は、「きよしこの夜」を「きよしこ  の夜」と間違えて覚えていたことによるもので、吃音とは直接関係がないもと思われます。吃音であることを言い訳にしてしまえば、他人の優しさに甘えることもできますが、吃音であったとしても、あえて甘えず故郷を捨てて東京で生きていこうとすれば、自分が今いる環境、自分の能力とどう向き合い、そして自分がどうしていくのか、意識のベクトルは人生のベクトルになる、そんなことを思って感心しました。印象的だったシーンは千原せいじのおっちゃんと、哀川翔の娘さん福地桃子ちゃんの可愛さが印象に残ったいいドラマでした。

🎬 のぼうの城

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2012年 東宝、アスミックエース

監督:犬童一心

出演:野村萬斎, 佐藤浩市, 榮倉奈々, 成宮寛貴, 山口智充

【あらすじ】

武将として名を挙げる事に闘志を燃やす石田三成は、秀吉より預かった2万の兵を進め、忍城に迫る。やむなく降伏することを覚悟する忍城軍。しかし三成軍のなめきった態度に、長親が思いもよらない言葉を発する。「戦いまする」そして、誰の目にも絶対不利な、たった500人の軍勢対2万の大軍の戦いの火ぶたが切って落とされた!


 

主人公の成田長親やその周辺の人たちは、歴史的にはそれほど有名な人ではないと思いますが、その人物がどうなったのかを最後に語ってくれます。そのためラストは非常にスッキリしました。やっぱり見どころは狂言師野村萬斎の敵方を巻き込んで船の上で踊られるシーン。歴史ものや大河などでは今まで見たことがない話の持っていきかただったので、余計に印象に残りました。500人の少数が20000人の大軍に本当に勝ったのか。史実をもとに作られている映画だと思いますが、そのあたりは有名なお話ではないのでよくわかりませんが、しかし北条家に義理堅く守りを固め、最後まで落城せず持ちこたえたことは史実の通りなのでしょう。この作品は関ケ原のように歴史を忠実に再現したのではなく、映画として楽しむ作品のような気がしました。この映画にも芦田愛菜ちゃんの子役が楽しめます(笑)

🎬 風の谷のナウシカ

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1984

宮崎駿監督作品

【あらすじ】

舞台は「火の7日間」といわれる最終戦争で現代文明が滅び去った1000年後の地球。風の谷に暮らすナウシカは、「風の谷」に暮らしながら、人々が忌み嫌う巨大な蟲・王蟲(オーム)とも心を通わせ、有害な瘴気覆われ巨大な蟲たちの住む森「腐海」の謎を解き明かそうとしていた。そんなある日、「風の谷」に巨大な輸送機が墜落、ほどなく西方のトルメキア王国の軍隊が侵攻してくる。墜落した輸送機の積荷は、「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという最終兵器「巨神兵」であった。そして、少女ナウシカの愛が奇跡を呼ぶ…。

 

初めてこの映画を観た時、宮崎監督のイマジネーションってすごいと思いました。
内容も今の世の中に警告を発しているというか、メッセージ性の高いものだと感じました。虫や動物と心を通わせるナウシカ。でも彼女は父親を殺された時に我を忘れて暴走します。強さと優しさだけでなく、弱さももちろんあるという女の子で完成された人間ではない主人公を描いた点もすごくいいなと思いました。大人も子供も一緒に楽しめる作品です。ただ再見してみますと実に奥が深い作品ですね。私的には宮崎監督の中でもよりメッセージ性が強く難しい作品の部類ではないのかなと思います。

🎬 コンテイジョン

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2011年 ワーナーブラザーズ

監督:スティーブン・ソダーバーグ

出演:マット・デイモン, ジュード・ロウケイト・ウィンスレット

【あらすじ】

香港出張からアメリカに帰国したベスは体調を崩し、2日後に亡くなる。時を同じくして、香港で青年が、ロンドンでモデル、東京ではビジネスマンが突然倒れる。謎のウイルス感染が発生したのだ。新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていった。

 

10年前の作品ですが、ちょうど今のコロナ禍を予測したような作品に仕上がっていました。「症状が出ないまま、他者に感染させることもある」や「予防法は残念ながら人との接触を極力避け、こまめに"手を洗う"しかない」など、まるで最近の実際のニュースを見ているかのようなシーンが冒頭から続きます。ラストで感染、いやウィルス発生の原因が映し出されるシーンが、挿入されるますが、それすらあまりにもありふれた日常の些細なことであり、これが全世界に死者を生み出したウィルスの初期段階だと思うとゾッとしてきます。派手なCGや爆発もなく、淡々とドキュメンタリー風に進むストーリーが、いまの世界と重なって・・・自然と映画に入り込めました。いまテレビで放送されると効果的と思える作品でした。

🎬 裏窓

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1954年 パラマウント

監督:アルフレッド・ヒッチコック

出演:ジェームス・スチュアート、グレース・ケリー

【あらすじ】

カメラマンのジェフは事故で足を骨折し、車椅子生活を余儀なくされる。そんな彼にできる楽しみは、カメラの望遠レンズを使って裏窓から見る隣のアパートの住人達の人間模様の観察であった。ある日、いつも口喧嘩が絶えなかった中年夫婦の妻が突如として姿を消す。セールスマンらしい夫の怪しい挙動を観察していたジェフは、数々の状況証拠から殺人事件と確信。恋人リザと共に調査に当たる。事件を認めない友人の刑事を納得させるため、確たる証拠を掴もうとする2人に危機が迫る。

 

この映画はもう60年前くらいにつくられた、ヒッチコック監督のサスペンスの名作です。初見でした。うーん正直言いまして「鳥」のほうがはるかに緊張感があってドキドキして観ましたがこの映画はちょっと物足りなさが残りました。ロケーションはほとんどありません。主人公は自分の部屋から対面のアパートの様子を眺めてながら物語は進行していきます。この作品の見どころはなんといってもグレース・ケリーの美しさ。それとキスシーン、ヒッチコック監督はかなりの好きものだったのではないでしょうか(笑)

🎬 阪急電車 片道15分の奇跡

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2011年 東宝

監督:三宅喜重

出演:中谷美紀宮本信子芦田愛菜戸田恵梨香勝地涼

【あらすじ】

宝塚から西宮北口間を走る、えんじ色の車体にレトロな内装の阪急今津線。その電車に様々な愛に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら、偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた―。片道わずか15分のローカル線で起こる、世代を超えた温かい奇跡の物語。

 

学生の頃阪急電車を使い、社会人になってからも数回阪急電車を使っていたので馴染みのある電車です。いつか見ようと思っていましたが、今回もNetflixで配信されていたのでようやく観ることができました。しかし便利な時代になったなぁとつくづく思います。この映画は阪急電車と言う媒体を通して、様々な人達の色々な生活風景を観られる作品です。物語もオムニバス形式で進んでいきますが、つかみはばっちりです。中谷美紀宮本信子ともに上手く、セリフが印象的で心に入ってきます。それと芦田愛菜ちゃんが実に可愛くて、大阪弁で素の演技と思わせるくらいでした。自分的にはこの当時の愛菜ちゃんが一番いいかな。駅員さんや車掌さんが日常的に登場するのも素晴らしい演出効果だと思いました。平凡な日常を送る中で、「平凡ではない」日常に直面することを対比しているようでした。地元だからなおさらかもしれませんが、とてもハートフルな邦画らしい作品だったと思います。原作も読んで、DVDも手元に置いておきたい作品でした。