ホームシアターブログ

プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 マンハッタン無宿

1968年ユニバーサル

監督:ドン・シーゲル

出演:クリント・イーストウッド、スーザン・クラーク、リー・ジェイ・コップ

この作品の2年後にこの監督さんと組んでクリント・イースト・ウッドは「ダーティハリー」が公開されるという、そうなると見逃せない一作ですよね。テレビ放送の録画で鑑賞しました。もちろん吹き替えは山田康夫さんでした。のっけのシーンはアリゾナだと思いますが、ターザンみたいに上半身裸でパンツ一丁の男との格闘シーンからはじまりますが、「いつの時代やねん!」って思わず突っ込みを入れてしまいます。ストーリーはアリゾナで殺人を犯したリンガーマン(犯人)がニューヨークで逮捕され、その男を引き取るため、クーガン保安官補が生まれて初めてニューヨークにいって騒動を引き起こすアクション。ルールを無視する割には無謀なクーガン、なかなかうまく進まないけど、最後の体当たりでめでたし。とこんな感じです。荒野の用心棒的にはじまり、ニューヨークに舞台を移し現代劇になりますが、やはり西部劇的な感覚が抜けきれないでいるイーストウッドが魅力なんでしょうか。無宿とありますが一応ニューヨークの安いホテルに泊まっていらっしゃいます。このあたりはタイトルの付け方いかがなものでしょうか。上映時間は90分ほどでさくっとみられるクリント・イーストウッドのこんな映画もありますよといった感じの作品でした。

🎬 世界から猫が消えたなら

2016年 東宝

監督:永井聡

出演:佐藤健宮崎あおい濱田岳奥田瑛二原田美枝子

この作品、タイトルだけ見た時は完全なる動物フォーカスの「旅猫リポート」とか、そのあたりの作品と似たようなものかな、と勝手に思ってましたが違いました。内容はまさかのファンタジー。主人公は佐藤健演じる、キャベツという名の猫と暮らす30歳の「僕」。郵便配達員として働いていたとある日、自転車から倒れた先の病院で余命1週間の末期の脳腫瘍であることを伝えられる。そんな僕の前に自分と同じ顔をした人物が現れて自分を悪魔だと名乗り「この世界から何かを消す代わりに1日の命を与える。しかし消すものを決めるのはアタシ」という取引を持ち掛けられる。非現実的な出来事に困惑しながらも主人公はその取引に乗る。回想の部分も多いので、時間軸がわかりにくいですが、前半のストーリーは切ないです。逆に後半、ラストに向かうストーリーは自分的にはいまいちわかりづらいように感じがしました。それと、タイトルに猫を入れてますが猫エピソードはイマイチ。インパクトはあるものの、猫に関しての表現がめちゃくちゃ薄い。猫好きの自分にとっては猫を期待していたのに肩透かしをくらった感じの作品でした。2度3度と見ればまた良さがわかるような作品でした。

🎬 黒の回廊

黒の回廊

2004年 日本テレビ

原作:松本清張

出演:島田陽子船越英一郎賀来千香子酒井和歌子宝田明

 

松本清張が原作のテレビ放送です。あの火曜サスペンス劇場の特別版で放送され、最近島田陽子さんが他界されましたので追悼番組として再放送されました。あまり映画ではお見受けしない顔ぶれで逆に新鮮に楽しむことができましたね。まず船越英一郎ってほとんどスクリーンではお見受けしませんがテレビの露出は凄いものがありますよね。お調べすると民放全局の2時間ドラマに全て主演されている唯一の俳優さんなんですって。これはこれで凄いわ。 原作は読んでいませんがヨーロッパの添乗員付きの団体旅行の設定というのが清張らしくないのもまた面白かったです。その旅行中に連続殺人事件が起こっていきますが意外な人物が犯人なのは、流石清張といったとこでしょうか。動機から結末にいたるまでの展開はテレビドラマとはいえ見ごたえがありました。故島田陽子さんもこんな女優さんだったと思い出しながら懐かしく楽しませていただきました。なんといっても「われら青春」の陽子先生ですから。ご冥福をお祈りいたします。

🎬 奥様は取り扱い注意

2021年 東宝

監督:佐藤東弥

出演:綾瀬はるか西島秀俊檀れい小日向文世

 

ちびゴリさんのご推薦の1本です。テレビドラマで放送されているシリーズものですがテレビは未見でこの劇場版が初見でした。この作品もなんといっても綾瀬はるかですね。バラエティー番組や番宣インタビューでのとぼけた雰囲気と、劇中での素晴らしい演技とどちらが本物の彼女なんでしょうか。いつもそんなことを考えてしまうほどギャップがある彼女ですが、今回はアクションもなかなかきまっていて、また違った一面を見せていただきました。ただこの作品のポスターの二人の関係は理解できませんでした。夫婦だったんでしょうかね。それと前田あっちゃんが精神科医で出ているのですが、あの診察中のブロックの意味は何なんでしょうか、説明がほしかったなぁと思う感はありますが、おしとやかなはるかちゃんと、元気のいいアクションスターのはるかちゃんをダブルで楽しめる作品でした。

🎬 アメイジングスパイダーマン

2012年 ソニーピクチャー

監督:マーク・ウエブ

出演:アンドリュー・ガーフィールドエマ・ストーン

 

スパイダーマンシリーズの中の1本です。トビー・マグワイアが演じるスパイダーマンよりは細身でしゅっとしたスパイダーマンでした。最近またトビーで再演されている人気シリーズですね。おそらく流れ的なものはないのでどの作品をみてもわかりやすく楽しめるのではないでしょうか。この作品ではかなりCGを駆使している感がありましたがそれはそれで違和感なくスパイダーマンの世界を楽しめたと思います。このアメイジングシリーズで光っているのはヒロイン役のぽっちゃりした、なんともセクシーなエマ・ストーンでしょうね。光り輝いている彼女をみるだけでも楽しめる1本ではないでしょうか。

TATTOO【刺青】あり

1982年 ATG

監督:髙橋伴明

出演:宇崎竜童、関根恵子渡辺美佐子

鑑賞:Amazonプライム

 

この映画は私の自宅のすぐ近くで起きた、三菱銀行北畠支店の人質立てこもり事件の犯人にフォーカスした作品です。この建屋の中は改装されたらしいですが、今も当時のままで三菱UFJ銀行北畠支店として営業されています。犯人役には宇崎竜童、これが実に犯人とよく似ています。大阪弁も多少の違和感はありますが許容範囲でした。相手役には関根恵子、これがまた美しい。この作品で監督の髙橋伴明と結婚されました。母親役には渡辺美佐子、この映画での鍵となる人物役で、貧乏な家で息子を溺愛する役柄を実に上手く演じられていました。またこのようなモンスターがいかにして出てきたかを実にうまく描かれていると思います。スタッフの中にも今では第一線で活躍されている井筒和幸や周防正幸の名前があったのも興味深いところでした。それとちょい役ですが、植木等原田芳雄泉谷しげる大杉漣さんかも登場してくれています。また40年前の大阪のなんば界隈も映しだされ、かなり様変わりした御堂筋の銀行街も興味深く見ることができました。昭和の力作の一本だと思います。

🎬 しあわせのマスカット

2021年 しあわせのマスカット制作委員会

監督:吉田秋生

出演:福本莉子竹中直人、本仮屋ゆいか

 

意外と言っては失礼ですが予想外にいい作品で何度か泣けました。マスカットで作られた果実菓子に魅入られた少女が、お菓子会社に就職し悪戦苦闘しながら成長していくヒューマンドラマです。2018年の西日本豪雨で起きた出来事をもとに制作されています。冒頭のお婆ちゃんへのお土産のエピソードから目がウルウルでした。ドジで間抜けで失敗だらけの福本莉子の笑顔が素敵で心が和みます。入社試験の面接に遅刻し、研修で配属された部署でことごとく失敗して、販売部、工場、商品開発部をたらい回しにされる姿はユーモアもあり楽しめます。ありがちなストーリーですが、こういう誠実で頑張る若者の姿を描いた作品は見ていて心地良いです。やはり笑顔は重要ですね。教えててもできないこと、それは「笑顔」。なるほどと思いました。それと竹中直人の頑固おやじは見ごたえがありました。この映画のキーパーソン的な役柄でしたので見事だったと思います。サクっと楽しめるいい作品でした。