2015年 ユニバーサル
出演:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス
【あらすじ】
エベレスト登頂中に起こった実話を元に描くサバイバルアドベンチャー。ロブが率いるエベレスト登頂ツアーの一行は、順調に登山を続けていた。だが、頂上アタックの日、嵐で天候が急激に悪化し…。
実話というだけあって、かなり信憑性に富んだ映画だと思います。
チームを組んでの最高峰を目指す物語ですが、ストーリー性はあまり大きくなくて、登頂を目指すための友情や家族の不安など心に訴えるものだと感じました。
生き残られた実際の人が指と鼻を失ったそのままの姿で、涙ながらに語るシーンはあの厳しいエベレスト登山の有り様を垣間見ることができます。
悲しい結末ですが、これが現実(真実)なんですね。
この映画から得られることは幾つもあると思います。
最も重要なのは、エベレスト登山を商業化した事への警鐘。この危険極まりない登山をプロだけで登っていた時代でさえ、死亡事故が起きているのに、これを商業ベースに乗せて、金さえ払えば、アマチュア登山家でも参加出来るシステムになっていることです。現在登山にはネパール政府の登山許可証(約120万円)が必要な様ですが、貧しい国の貴重な収入源のため、申請し料金を払えば全て許可証を出すといいます。
主演のジェイソン・クラークをはじめ豪華出演陣が繰り広げるヒューマンドラマにも感動しました。主役のロブ・ホールは、顧客だけでなく、隊員一人一人に気を配り、他の登山隊との協力要請にも必死に働きかけましたが、最後に情けが出てしまいます。やはり撤退の決断には冷徹にならなければいけませんね。
いろいろ教えられ、考えさせられる作品でした。