2017年 クロックスワークス
監督:白石和彌
【あらすじ】
15歳年上の陣治と暮らしながら、8年前に別れた黒崎のことが忘れられない十和子。ある日彼女は、刑事から黒崎が行方不明だと告げられる。
途中までは観るのが耐え難いほどの最低の男女だなと思いました。生理的な嫌悪感さえ感じる中年男と、現状に不満を抱えながらも仕方がなくその男といる女。辛い共依存を蒼井優と阿部サダヲが好演しています。
阿部の不潔さ・陰湿にも思える愛情・仕事を放りだして女に付きまとい社会的な評価がどんどん下がっていっている異常さが、最後まで観て腑におちました。
蒼井と出会う前の阿倍がまた素晴らしい。以前は美男子ではないものの、こざっぱりしていて清潔感があり、生気がある様子がよくわかる。その彼が彼女と出会った為に、特にあの事件後、阿倍の崩壊ぶりや、蒼井の壊れっぷりとの対比が見事でした。お二人の大阪弁も実に見事で違和感なくすんなりと聞くことができましたし、地元阿倍野をロケしているのでさらに親近感が沸いた実にいい作品でした。