ホームシアターブログ

プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 紙の月

PVアクセスランキング にほんブログ村

f:id:AZM57:20201226053152j:plain

2014年 松竹

監督:吉田大八

出演:宮沢りえ, 池松壮亮, 大島優子, 田辺誠一 

【あらすじ】

銀行で契約社員として働く主婦・梅澤梨花と夫との間には空虚感が漂っていた。ある日、大学生・光太と逢瀬を重ねるようになった彼女は、彼のために顧客の預金に手を付けてしまう。

 

銀行に勤める派遣社員の女性が、若い男にのめりこみ、銀行の金を着服して歯止めが効かなくなるというストーリー。見ていて、シビアで、ストーリー的にも追い詰められるような展開で、息苦しくなるような感じでしたが、後半はそれを忘れさせるほどの緊迫感がありました。宮沢りえの名演技もさることながら、小林聡美の名演技に脱帽でした。ラスト近くの宮沢りえとの会話は、生きる意味さえも考えさせられてしまったし、石橋蓮司の得体の知れない存在感はさすがでした。一見お堅い人のほうが、一旦歯止めが効かなくなると、転落していってしまうのかもしれない。誰でもヒロインのようになる可能性はあるのであり、その意味では恐ろしくもあり興味深い映画でした。原作は角田光代「八日目の蝉」といい、なんともいえない後味のあまりよろしくない作品を書かしたら凄い作家さんだなって思います。