2019年 東映
監督:平山秀幸
【あらすじ】
長野県のとある精神科病院。死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸。幻聴に悩まされるチュウさん。DVが原因で入院する由紀。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。彼らの日常に影を落とす衝撃的な事件はなぜ起きたのか。それでも「今」を生きていく理由とはなにか。
東映らしからぬ作品といえば失礼になりますが松竹ぽいヒューマンドラマでした。ファーストシーンからのつかみはばっちりで笑福亭鶴瓶のなんともいえない素の演技に引き込まれていきます。それからは物語は精神科病棟に移っていきます。救いのない話といいますか精神病棟の中はわからないですが、実にリアルに描かれていました。だから救いのない思いが強くなっていくのかもしれません。やりきれないシーンが続きますが終盤は法定に場面が映ります。この映画は救いの無いことばかりですが絶望の中でも生きていくことの尊さや難しさを映画を通して感じとれます。綾野剛の演技も光っていました。テンションがあまり低く無い時に観ることをおすすめします。