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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 浮雲

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1955年 東宝

監督: 成瀬巳喜男

出演:高峰秀子, 森雅之, 加藤大介, 岡田茉莉子

【あらすじ】

戦時中、赴任先のインドシナで、妻ある男・富岡と出会い愛し合ったゆき子。終戦後、妻と別れて君を待っている、との言葉を信じ富岡のもとを訪れたゆき子だったが、富岡はいつまでたっても態度をはっきりさせようとしない。途方に暮れたゆき子は外国人の愛人となり、富岡のもとを去るのだったが……。

 

先日、小津安二郎監督の「東京物語」を観て良かったので、今回は同じ時代の名作「浮雲」を選んでみました。高峰秀子という女優さんは、晩年の演技しか知らないので、こういう若い頃の演技を見るのははじめてだと思います。当初は清純な演技なんですけど、だんだん堕落していく演技が凄かったです。それと森雅之という男優さんは存じあげませんでした。太宰治がぴったりと似合う自堕落な雰囲気がいっぱいの男優さんでした。恋愛物語なんですけど、キラキラしたシーンは全くありません。とにかく暗く救いのないストーリーでした。ラストは林芙美子の短詩で幕を閉じます。「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき。」この詩が全てを物語っているなんとも後味の悪い作品でした。戦後のどさくさな雰囲気も実によく出ていたと思います。