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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

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2018年 東映

監督:中田秀夫  原作:内館牧子

出演:舘ひろし黒木瞳広末涼子

【あらすじ】

一流企業のエリート街道を歩んでいた田代壮介(舘ひろし)は、同期のライバルに負けたことで出世コースから外れ、子会社に出向させられてしまう。そのまま銀行に戻ることなく、ついに定年の日を迎えてしまった。<やることがない・・・>仕事一筋だった壮介は、翌日から時間を持て余してしまう。公園、図書館、スポーツジムなど時間を潰すために立ち寄った先は、至る所に老人ばかり・・・。美容師として忙しく働く妻・千草(黒木瞳)につい愚痴をこぼし、次第に距離を置かれてしまう。このままではマズイと職探しを始めるも、高学歴・高職歴が邪魔をして思うように仕事が見つからない。しまいには、千草や娘・道子(臼田あさ美)から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里(広末涼子)に想いを寄せるようになる。さらに、通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人(今井翼)から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、壮介の人生が大きく変わろうとしていた。定年を過ぎて仕事に恋に、第二の人生を歩み出した壮介。順風満帆に思えたのも束の間、次々と壮介の身に災難が降りかかってしまう。そして、ずっと支えてくれていた千草からも愛想を尽かされ、「卒婚」を提案されるのだった。

 

原作を読んで面白いといいますか、今の自分の定年退職を迎える年代とぴったりでしたので、原作を読んだ後是非見てみたいと思っていました。AmazonプライムNetflixでも何故か配信されていなく、レンタルをしない派なので久しぶりにポチリました。一度しかない人生をどう歩んでいくべきか、とりわけ終盤に向けて、どのような心構えが必要なのか…。この作品を観てそんな風に想いを巡らせました。東大卒、一流銀行の取締役までされた方がモデルとなっていますから、庶民の職業感覚とは少し違うとは思いますが、そもそも定年退職後はそんな考え方を変えなければならないというメッセージなのだと思います。肩書きはなくなり、定年後の、何もすることがなく、暇で、惨めで、みすぼらしく、悲しい人生を歩む主人公を見事に演じた舘ひろしは、こういう役もできるんだと感心しましたし、夫婦の微妙な距離感やすれ違いを絶妙に伝えた黒木瞳の演技もすばらしかった。ちょっと距離を置く演技は彼女は絶妙に上手いですね。自分らしく定年退職後を迎えるために、いったい今何をしていかなければならないのだろうか。そんなことを深く考えさせてくれる作品でした。