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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 ユリゴコロ

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2017年 東映 日活

監督:熊澤尚人

出演:吉高由里子松坂桃李松山ケンイチ

原作:沼田まほかる

【あらすじ】

カフェを営む亮介(松坂桃李)の日常はある日突然崩れ去った。男手ひとつで育ててくれた父親が余命わずかと診断され、結婚を控えていた千絵(清野菜名)はこつ然と姿を消してしまったのだ。新しい家族を作ろうとしていた矢先の出来事を受けとめきれない亮介は、実家の押し入れで一冊のノートと巡り会う。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートに書かれていたのは、美紗子と名乗る女(吉高由里子)の手記。人を殺めることでしか自分の生きる世界と繋がることができない女性の衝撃的な告白だった。

 

イヤミスの女王沼田まほかるの原作ということで、原作は読まずに観てみました。初めから重く暗い物語だということは分かっていましたが、やはり想像以上に重くて胸苦しい作品でした。子どもが溺れるシーンやリストカットのシーンなんかはものすごくリアルです。思わず目をそらしました。物語は終盤に行くにつれて人間の温かさを感じさせてくれます。出ている俳優陣は良かったです。特に吉高由里子松山ケンイチ松坂桃李の3人。(メインの3人)吉高由里子は終盤に行くにつれ人間味を取り戻しつつ過去に縛られる姿をうまく演じていたと思うし、松山ケンイチも心の優しい役がめちゃくちゃハマっていたと思います。松坂桃李はここ最近本当に良く映画に出ていますが、葛藤したり高揚する主人公の1人をしっかりと演じている所は本当に見事だと思いました。ただし、グロシーンがリアルすぎるのと、殺人の嗜好は共感、理解しにくいものがあると思うのでぜひにとはおススメはしませんが、個々の主要人物の葛藤をリアルにみごとに表現されている所と、俳優陣の演技の素晴らしさなども含めると自分は見て良かったと思いました。ちょっと無茶なシーンもありますがあおのあたりはご愛嬌ということで。やはり沼田まほかるは原作を読みたくなる作家さんの一人です。