2007年 KADOKAWA
監督:滝田洋二郎
林遣都のデビュー作です。いきなり主役というところがまた凄いですよね。最近彼が主役の「犬部!」を見たところだったので、この映画をみて今はもうすっかり大人になった感があるくらい幼い感じが残っています。脇を固めるのは菅原文太に天海祐希というのがまた凄い。物語は中学野球に励む少年たちの友情と、家族の絆を描いた青春スポーツドラマです。高校野球を舞台にした作品は多いと思いますが、中学野球というのが味噌なのかもしれません。大きな目標の甲子園やプロに進むかどうかなどがないので、純粋に野球に打ち込む姿が清々しく良かったです。ただどう見ても中学生には見えない役者さんもいましたけどね(笑)。病弱な弟との絡みもあるのでそのあたりも見どころの一つでしょうか。菅原文太が元監督さんで理解のある渋い役だし、天海祐希は病弱な弟ばかりをかばう設定なのですが実はそうでない役を上手く演じています。岸谷五朗もちょっととぼけた父親役でいいクッション役だったと思います。日本人にとって野球は特別なスポーツなんだと思わせる快作でした。