2012年 フォックス
監督:サーシャ・カバシ
出演:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン
あの名監督アルフレッド・ヒッチコックを名優アンソニー・ホプキンスが演じた映画です。もう10年前の公開になるんですね。この映画はヒッチコック監督の生涯を描いた作品ではなく、晩年の「サイコ」での制作模様を描いています。ヒッチコックの妻との関係や映画制作に関わる制作・配給会社との関係がよくわかりました。成功を積み重ねてさらに新しいことに挑戦し障害を乗り越えようと奮闘する姿が面白く描かれています。雰囲気を作るさりげない音楽の使い方と演出もやはり上手いですね。「サイコ」の有名な風呂場の場面は、ヒッチコックが時代を考えてあまり刺激の強くないものにしたのだと思っていましたが、映倫が強く規制・指導したから迫力が無くなったのだというのはこの作品でわかりました。やはりこの時代はこの程度でお茶を濁すのが限界だったのでしょうか。アメリカでもこのような規制があるのは驚きました。映画の歴史のちょっとした勉強になりました。サイコの風呂場での切りつけるシーンがあるのですが、実際にヒッチコックがスタントしてやっていたのでしょうか。この映画の中でのアンソニー・ホプキンスの演技はいつもながらの狂気が出ていて見事でした。