2009年 東宝
監督:若松節朗
出演: 渡辺 謙, 三浦友和, 松雪泰子, 鈴木京香, 石坂浩二
【あらすじ】
日本が経済大国へと上り詰めていく昭和30年代から60年代を舞台に、巨大組織に翻弄される主人公・恩地元の生き様を通して人間の尊厳を問い掛ける人間ドラマ。
「シンドラーのリスト」に続くはこれまた3時間を超える長編。連続してこの手の作品を観ると疲れますね。でも昭和から平成を同じ旅行業界に身を置いていたものにとってはこの作品の重みはよくわかります。JAL123便が御巣鷹山に墜落した時は、自分はまだ社会人2年生で、残業をしていてテレックス(古い)が入ってきたのをよく覚えています。あれから自分も今年度で定年退職を迎えることになりました。最後の年はコロナで旅行業界や航空業界は悲惨な目にあいましたがこれが最後の年というのもまた感慨深いものがあります。JAL123便で空の安全の神話が崩れて旅行業界が冷えた時からサラリーマン人生がはじまりコロナで終わる。自分のサラリーマン人生ってなんて皮肉なのかなって今となれば思います。そんな目にあってどうして辞めないのかってこの映画を観ていて思われる方がたくさんいらっしゃると思いますが、好きで入った業界ってそういうものなんです。航空関連や旅行関連は好きで入社してくる人が大半な業界なんです。どんな目にあっても辞めなかった主人公の気持ちはわかるような気がします。しかし山崎豊子作品は重みがあるけどどこか身近に感じられるそんなところが一般受けするんでしょうね。見ごたえのあるいい作品でした。