1996年 松竹
監督:神山征二郎
鑑賞:BS松竹東急
宮澤賢治生誕100年を記念して制作された作品です。有名な「雨にも負けず」は知っていますが、他の作品は文章が明治時代のものなので途中で読むのをやめたのを覚えています。宮澤賢治は貧しい生活を送った末に若くして病死したという勝手なイメージを持っていたのですが、そこそこ裕福な商家(質屋)の生まれだったのは意外でした。そして彼が仏教への信心と寒冷地の農業に身を捧げていたことも初めて知りました。そんな彼の人となりがこの映画で理解できたのですが、ただ彼がいつどうやって素晴らしい作品群を執筆したのか、今ひとつわからないところがあります。最後に読まれる「雨ニモマケズ」は見事に彼の生き方を象徴しており見事でした。この詩が彼の遺品のノートにメモされていただけだったことには驚きます。もし彼が命長らえたら、どんな作品を残したのでしょうか。そんな思いを馳せてみたくなるような1本でした。