1981年 東映
監督:小栗康平
81年の作品ながらモノクロにしていることでリアルな雰囲気と映像美が上手くマッチしていたと思います。黒澤作品のように圧倒的な迫力を追求している訳でも無いのですが、画面から醸し出される様々な哀愁は見ている人を釘付けにします。またスピルバーグが賞賛した子役の演技も凄いです。態度や言葉に出してしまう年齢にも関わらず、心に押し込めた我慢や感情をふとした表情で表現する。子供とは思えない奥ゆかしさを感じました。昭和31年の大阪安治川周辺を上手く描いていたし、芦屋雁之助、殿山泰司など懐かしいお顔も少しのシーンですが見れてこれもまた良かったと思います。