2020年 KADOKAWA
監督：堤幸彦
【あらすじ】
石川家は父の一登、母の貴代美、息子の規士、娘の雅の4人、誰が見ても幸せそうな仲睦まじい家族だ。一家に翳りがさし始めたのは、規士がケガでサッカーをやめたことがきっかけだった。ある日出かけたまま、翌日になっても規士が帰ってこなかった。するとニュースで、若い男の遺体が発見されたと報道される。被害者は規士の友人で、高校生同士の殺人事件かという衝撃的な展開に、ネットでは犯人は誰か憶測と中傷が駆け巡る…。
ちびゴリさんのレビューを拝見して知った作品です。重いテーマでした。幸せに過ごしている家族が、突然事件の当事者になり苦悩する。息子が加害者なのか被害者なのかもわからないまま、匿名の嫌がらせやマスコミに苦しめられ、「生きていてほしい」という願いすら非難されてしまう形に。この作品の良かった点としては、息子を探し出すという同じ目的を持っているはずの夫婦間でも元の生活を取り戻したいと願う父親に対して、息子が無事でいてくれればそれでよいという母親とで、ふたりの「望み」には大きな隔たりがある点が表現されており、この描写は見事でした。石田ゆり子のなんともいえない翳りのある女性が秀逸ですね。それとスクリーンではあまりお目にかかることのないゴリさんこと竜雷太の嫌らしい演技も見ごたえがありましたし、松田翔太の神経質な記者役もはまっていました。原作も読んでみたいと思うんですけど読みたい原作がたまりすぎておいつきません(笑)
