1999年 近代映画
監督:新藤兼人
鑑賞:BS松竹東急
娘や行きつけの店で邪魔者扱いされる老人が、民話の「姥捨山」に我が身を重ねて取り憑かれてしまうという面白い設定です。並行し描かれる「姥捨山」のドラマもわかりやすくて良かったです。「老人をもっと敬え!」というのはまさしく全老人の心の声なんでしょうね。ただ老人ホームを「現代の姥捨山」であるかのよう描くのはどうなんでしょうか。三國連太郎は他にあまり例のない稀有な役者さんだなあと思うのは、上手な俳優さんはどうしても好々爺になってしまって凄みが無くなってしまいますが、彼は譲らない頑固ジジイを演じながら、 なお憎めない独特の味を出せる。それに大竹しのぶがこれまた豪快なキャラで対抗。最後のシーンなどはなかなか見ないシュールさで面白かったです。まあ舞台じみた大袈裟演技はちょっとマイナスかもしれませんが、このあたりも大竹しのぶという女優さんの凄さなのかもしれません。老若の名優お二人の名演が楽しめる1本でした。