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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 手紙

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2006年 ギャガ

監督:生野慈朗

出演:山田孝之玉山鉄二沢尻エリカ

【あらすじ】

人目を避けるように生活していた直貴。それは兄・剛志が殺人を犯し、服役していたためだった。人生がうまくいかないのは全て兄のせい。そんな絶望の淵から彼を救ったのは由美子の存在だった。しかし、彼女とのささやかな幸せが脅かされるようになった時、直貴は塀の中から届き続ける兄からの“手紙”という鎖を断ち切る決意をする…。

 

内容は犯罪者の家族というとても重たい題材で、犯罪者と家族は本来は別人格ではあるにもかかわらず、ずっと一緒に罪を背負わされていく、というもの。「手紙」が、兄との繋がりであったり、別れと繋がったり、社会との繋がりであったり、出会いに繋がったりとアイテムとしてつかわれています。その手紙が最後、どのような意味を持つものにもなるのか、どうあるべきなのか。デジタルがすすむ社会の中で、おそらく服役囚は昔からの「手紙」という手法でしか社会とつながることはできない。犯罪加害者の家族に対する差別があるのは当然としつつも、それをどう克服するかは自分自身の問題だと諭し、「君にはすでに大事な理解者がいるのではないか?」と主人公に気づかせる会社の会長役の杉浦直樹さんが実に渋くて良かったです。どうしようもないような絶望の中に一つの光を見出し、その光を守るために兄との完全な絶縁を決意する主人公と、それをただただ受け入れるしかない受刑者の兄。しかし結局最後の最後、受刑者の兄にも届けられるかすかな光。一瞬の隙もなく実に見事な脚本でした。原作も是非読んでみようと思います。