2017年 日活
監督:白石和彌
【あらすじ】
池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3匹の“牝猫たち”。彼女たちは、互いを店の名前で呼び合うだけで本名も、ここで働く理由も知らない。それぞれの悩みを抱えた牝猫たちは、都会の中で孤独を感じながら、好きでもない客を前に素肌をさらす。いつまで続くかわからないその生活に、愛を探しながら、颯爽と逞しく生きていく女たち。夜街にさまよう女と男が体を重ね、また夜があける―。
デリヘルに勤める3人の女子の物語。子どもに暴力をふるったり、孤独な老人をあざむいたり、それぞれのやっていることは絶望的。何一つ変わらない彼女たちの先にあるものは、深い闇。作り手の視線に悪意はなく、甘やかす風でもないので、作品には、不思議なここちよさがあります。「孤狼の血」で見せた白石監督の鋭い暴力シーンは健在でした。ただもう少しこの職業を選んだ理由なんかも深堀りしてほしかったかな。あえてB級映画を意識したつくりにしてるんでしょうね。子どもが持っていたフィギュアは「ガッパ」でした。日活が作り出した唯一の怪獣ですよね。