2008年 松竹
監督:滝田洋二郎
【あらすじ】
求人広告を手に会社を訪れた大悟は、社長から思いもよらぬ業務内容を告げられる。それは遺体を棺に収める「納棺」という仕事だった。納棺師の見習いとして働き出す青年と様々な境遇のお別れを描いていく。
2回目なんですけど、実に見事に内容を忘れていましてほぼ初見みたなものです。人の記憶ってこんなものなんですね(笑)。今は殆どの人が、人生の最後を病院のベッドで迎える時代になりました。こういった旅立たれるご遺体を綺麗にして下さる方々には、尊敬の念でいっぱいです。このご時世、なるべく負担にならないようにと、見送る形も簡素になってきています。でもこうして「おくる」気持ちは、絶やすことなく続いてほしいものです。ただ納棺師の仕事をあそこまで忌み嫌うように描いているのは少し疑問が残ります。見る側の気持ちをあそこまで下げさせるというのは監督さんの手法だと思いますが自分には少し違和感が残りました。途中納棺師を侮辱する言葉が何度も出てきたのはちょっとどうなのかな…(-.-)。しかし全体には、日本人の故人に対する美しい弔いを描いている貴重な一本だと思っています。時を経て鑑賞しなおして、その時代の「おくりかた」を思うのにオススメな作品ではないでしょうか。