2018年 東京テアトル
監督:大森立嗣
出演:黒木華, 樹木希林, 多部未華子, 鶴田真由, 鶴見辰吾
【あらすじ】
真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょいの典子は、いとこの美智子とともに「タダモノじゃない」と噂の武田先生のもとで“お茶”を習う事になった。挨拶も程々に稽古をはじめるが、意味も理由もわからない所作にただ戸惑うふたり。「お茶はまず『形』から。先に『形』を作っておいて、後から『心』が入るものなの。」と武田先生は言うが…。
2回目の鑑賞でした。今回は森下典子さんの原作を読んでから観てみましたので細部までしっかり観ることができたと思います。やはり原作を読んでみるとまた違いますね。こういう見方をするとどんどん原作が読みたくなります。時間がいくらあっても足りません・・・(-.-) この作品は黒木華さんも名演技なんですが、なんといっても茶道の先生役の故・樹木希林さん、丁寧で、静かですが、魂のこもったような存在感のある演技に、ただただ感動です。彼女の”ほぼ最期といってよい”この演技をみるだけでも鑑賞の価値があると思います。茶道のいわゆる“一期一会”についてはなしをされる声には、説諭された気がしてはっとしました。自分も人生残りそれほど長くない者なのです、“日日是好日”毎日好い日になるよう、出会う方との一期一会の気持ちで接していきたいものだ、と心から思いました。自分の全くしらぬ茶道の世界の奥深さの一部、静かに、美しく、垣間見させていただいたことにも感謝です。これぞ邦画の粋という作品ではないでしょうか。手元に置いておく1本です。