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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 帰ってきたヒトラー

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2015年 ドイツ

監督:ターヴィト・ヴネント

出演:オリバー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ

【あらすじ】

ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸?」。リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。しかし、皆気づいていなかった。彼がタイムスリップしてきた<ホンモノ>で、70年前と全く変わっていないことを。そして、天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを。

 

単なるコメディ映画かなって思ってみていると、とんでもない、今の時代としてとても考えさせられるドイツ映画でした。ドイツがあえてナチスヒトラーを、半分肯定的に語るということころにこの作品の意義があると思います。あの時代を真摯に受け止め、もう繰り返してはいけないということは当たり前で、どうしてあのようになったのか、今の時代にヒトラーが現れたらまたあの時代に戻るかもしれない、というところに警鐘をならしているんだと思います。「第二のヒトラーがもし今のドイツにいたら、また…」という暗示で映画は終わります。何もいきなり先の大戦のような悲惨な出来事が始まったわけではありません。始まりは小さなうねりだった。今がその始まりであっても不思議はないわけで、ヒトラーナチスユダヤなどの言葉に惑わされてはいけない。何を犯し、そこから何を学んだのか、もう一度みんなで考えよう、そんな内容でした。