2013年 ファントム
監督:大森立嗣
【あらすじ】
緑豊かな町で幼児殺害事件が起こる。実母が逮捕されるが、共犯者として尾崎俊介に嫌疑が掛けられる。この通報をしたのは、俊介の妻・かなこだった…。
NHKBSプレミアムで放送されたドラマ「ファースト・ラブ」を観て、真木よう子のアカデミー賞をとったこの作品をみてみようと思いました。登場人物はいずれも寡黙で、彼らの心情はその行動や表情から推察するしかありません。しかし、レイプ事件の加害者と被害者が一緒に暮らすという奇妙な設定であるからこそ、言葉(台詞)で説明しようとすると、途端に陳腐に感じられるのではないでしょうか。この作品では、過去に起こった出来事を淡々と描くことで、かなこ(真木よう子)と俊介(大西信満)が、田舎町で一緒に暮らすようになった理由が感覚的に伝わってきます。印象的なのは真木よう子の目。「目は心の窓」と言われ、女性を魅力的に見せる大きなポイントでもありますが、その「目」からは、ある程度の年齢にならないと「伝わらない」「伝えられない」ものがあるような気がします。TVドラマ「ファースト・ラブ」もそうでしたが目で演技ができる素晴らしい女優さんだと思います。