2010年 日本テレビ
監督:重光亨彦
出演:市川海老蔵, 相武紗季, 戸田菜穂, 東貴博, 柳原可奈子
【あらすじ】
エリート検察官から弁護士に転身した大塚欽也(市川海老蔵)は、その辣腕ぶりでマスコミの注目を集める、若き大物スター弁護士。そんな彼を頼って、福岡から若い女・柳田桐子(相武紗季)が殺人事件の容疑者となった兄の弁護の依頼に来る。彼女の依頼を、多忙を理由に断った欽也。その後、無期懲役の判決を受けた兄は控訴審中に獄死する。やがて、上京し銀座のクラブのホステスとして美しく変身した桐子は、偶然遭遇した殺人事件を利用して、欽也への復讐を計画する・・・。
この作品はテレビドラマです。松本清張の「霧の旗」は映画化が2回、テレビドラマとしては幾度となく作られているとてもメジャーな作品です。この作品は弁護士を主にするか桐子を主にするかで作り方は大きく変わると思いますが、今回のドラマは市川海老蔵を主演としていますので、もちろん弁護士を主としています。市川海老蔵の演技はこれまでほとんど見たことがなかったのですがやはり上手かったです。雨の中泥に頭をつけて土下座をするシーンがあったのですが、流石圧巻の演技でしたね。相武紗季も可愛い感じなんですが1本筋の通った女性を上手く演じていたと思います。それに晩年の津川雅彦が実にいい味をだしていました。この小説は何が言いたいのか、社会派の清張にしてみては、焦点を成り上がった敏腕弁護士のおごりと転落にスポットを当てているのか、無実の罪で獄死をした兄の復讐で桐子の生き方にスポットを当てているのか、それとももっと他のところに焦点があるのか、もう一度ゆっくり久しぶりに清張を読んでみようと思いました。