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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 居酒屋兆治

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1983年 東宝

監督:降旗康男

出演:高倉健大原麗子田中邦衛伊丹十三小松政夫加藤登紀子ちあきなおみ

 

今年の1作目はこの「居酒屋兆治」にしてみました。1983年といいますからもう38年も前になるんですね。この作品でも寡黙で辛抱強く、優しくて大きくてそんな高倉健さんを満喫できる作品でした。でももう出演者のほとんどが鬼籍に入られているんですね。時代の流れを感じます。リストラの担当者としての道徳的な罪悪感から船会社を自主退社して、居酒屋を営む主人公・兆治役を高倉健が見事に演じています。自分ではできない選択肢なので、観る側のほとんどのサラリーマンが主人公の人と成りに共鳴するんでしょうね。その夫を支える妻役の加藤登紀子のふだんそのままの演技が、平凡でいながら、幸せな夫婦であることが自然と伝わってきます。昔の恋人役・大原麗子の未だ忘れられない兆治への熱い思いは、大人のメルヘンでしょう。遠い昔の淡い初恋の思い出は、誰かしら少なからず持っているものでしょうが、大原麗子の純粋でどこか痛々しい演技は、胸を打ちます。また居酒屋兆治の店に集まる常連客の何気ない会話から、様々の人生模様も伝わってきて、あたかも自分のその場にいるような錯覚を覚えてしまいます。主題歌を歌う哀愁を帯びた高倉健の声の低温の響きが、胸にじんと染み渡ってきます。それと劇場公開予告編には加藤登紀子が歌う主題歌が入っています。やはり聞かせますね。上手いです。ちあきなおみもいい味出しています。時々、見たいと思わせる名画でした。