1978年 松竹
監督:野村芳太郎 原作:松本清張
出演:緒形拳、岩下志麻、小川真由美、蟹江敬三、大竹しのぶ
鑑賞:BS松竹東急
久しぶりにみましたがやはり見応えがありますね。気弱な父親役を緒形拳が見事に演じているのと、鬼嫁と化す岩下志麻、冒頭だけですが強烈な妾役の小川真由美、ぴったり配役だったと思います。ストーリーはご存じの妾が産んだ幼子たちと押し付けられた父親が背負った宿命と業を描いたヒューマンドラマです。緒形拳扮する父親の葛藤がとてもよく描かれていると思います。子供が健気で切なく、娘が大切にしていたオルゴールが効果的に使われており心に響いてきますね。今回は効果音もよく聞けましたので使い方は「JAWS」に似ているなぁという感じがしました。ラストの子供のセリフが重いですね。「違うよ よその人だよ 知らないよ お父さんじゃないよ」 これは父親をかばっているようにもみえますが拒絶しているようにもみえます。見る者に委ねられたラストなんでしょうね。大竹しのぶの婦警さんが可愛かったし以外にセリフが多いのにも今回発見がありました。この作品も昭和の代表する1本だと思います。