2006年 キネテック
監督:奥田瑛二
奥田瑛二が監督で緒形拳が主演。こんな作品があったんですね。知らなかったです。緒形拳といえば「鬼畜」「復讐するは我にあり」で凄まじい演技が焼き付いていて、こんな好々爺の役はどうなのかと思ってみてましたが、やっぱり素晴らしい存在感でした。ストーリーはアパートの隣に住む常に虐待されている女の子を連れだして巡礼の旅に出る話です。虐待されている女の子と過去に虐待の過ちを犯した老人が引き合うように巡り会い互いの傷を癒して物語は進んで行きます。これは少女誘拐という現実の中で、少女が背負う天使の羽が救いの象徴にも見えました。緒形の熟練の演技は実に見事ですが、5歳で選ばれた女の子の演技も素晴らしい。この二人のやり取りがメインで、松田、高岡など脇役も良い味を出しています。本当に裁かれないといけないのはどっちだと問題提起をしているようにみえました。奥田監督あっぱれでした。