1982年 松竹
監督:深作欣二
鑑賞:BS松竹東急
東映の深作欣二監督がめずらしく松竹で純愛に近い作品を撮った1本です。今からかれこれ40年以上も前の作品ですので皆さん若いです。やはり松坂慶子の美しさは際立っていますし、濡れ場も楽しませてくれます。ところどころに深作監督らしい血しぶきがあがります。このあたりは見ていて唸りますね。流石だと思います。お話は松坂慶子を道頓堀川にみたたて、その両脇に様々な登場人物のストーリーが配置されています。終盤のハスラー親子対決はなかなかの名シーンですが、あくまでも松坂慶子が主演です。出番が真田広之、佐藤浩市、山崎努よりも少なくてもです。松坂慶子が美しく、丁寧に撮られていて、これが深作欣二監督かと驚くほどでした。ただラストシーンはやはり深作欣二監督らしい終わり方でした。監督はハッピーエンドが許せなかったのでしょうね。一人だけ幸せになって道頓堀を抜け出して、確かな人生を歩みだそうという青年の背中でエンドマークなんて有り得ないと思えたのでしょう。原作はわかりませんがラストはあっと驚く展開でした。カルーセル真紀や若かりし柄本明なんかも見られて、40年前の懐かしいミナミの雰囲気も楽しませてくれる懐かしい作品でした。