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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 四十四にして死屍死す

2023年 香港

監督:ホー・チェクティン
出演:テレサ・モウ、ロナルド・チェン、ウォン・ヤウナム

鑑賞:地上波デジタル放送

大阪アジアン映画祭でABCテレビ賞を受賞した香港映画。期待して見ましたがちょっとがっかりな作品でした。やはり香港映画はカンフーできめてほしいですね。ストーリーは知らない死体(全裸の男)がマンションに突如現れ、それに右往左往する住人達という設定。ブラックコメディという括りでしたが、死体の犯人捜しなどは一切せず、とにかく「死体をどう隠すか」一点に重きを置いているので、映画というよりは演劇に近い雰囲気でした。中盤からラストは、住人達の関係性の変化や、色々悩みがあっても結局それはそれで幸せということに行き着く描写は良かったですが、全体的にダラダラっとした印象のまま終わっていきました。ちょっと退屈なアジアン映画祭出品の香港作品でした。

🎬 しとやかな獣

1962年 大映

監督:川島雄三

出演:若尾文子船越英二伊藤雄之助山岡久乃

鑑賞:BS松竹東急

「全員悪人」という設定で面々が団地の一室で繰り広げる会話劇で物語が進んでいきます。カメラはほとんど団地の1室のままです。独特の空気感が漂う作品でした。若尾文子さんは名前こそ知っていますが演技を見たのははじめてのような気がします。出演は1950年から60年代にかけて大映での出演がほとんで、それ以降はテレビに出演されているようですね。今でも90歳ご健在のようです。映画は昭和な調度品や用語(定期預金の利息5%・一ドル360円・大蔵省)、印象的なシーン(夕日を背景に踊り狂う友子と実など)。本作のおかげで川島監督の作品が俄然気になるようになりました。62年前の私が生まれた時の1本でした。

🎬 死亡遊戯

1978年 香港

監督:ロバート・クローズ

出演:ブルース・リーサモ・ハン・キンポー

鑑賞:BS松竹東急

ブルース・リーが1972年秋にクライマックスのアクション・シーンのみを撮影後中断、急逝により未完となり、五年の紆余曲折の後サモ・ハン・キンポーを起用し、追加撮影して完成させた作品です。随所にリーの過去の映画のワンシーンからのカットが挿入されています。最後の戦闘シーン以外でのリーの顔のアップは他の映画から流用したもので結構わかりやすい作りになっていました。このような編集が随所に見られる作品になっていますが、見せ場の長身のハキムとの戦いは本人だと思われます。やはり黄色のつなぎのコスチュームをみるだけで往年のブルース・リーファンは納得するのではないかと思います。ブルース・リーの遺作となった作品です。

🎬 奥様は魔女

2005年 コロンビア

監督:ノーラ・エフロン

出演:ニコール・キッドマンウィル・フェレル

鑑賞:地上波デジタル放送(吹替え)

テレビシリーズのリメイクではなく、そのリメイクをニコール・キッドマン演じる俳優を主役にした作品です。キッドマンはまさに適役だったと思います。メグ・ライアンがさらに適役かなと思うと、監督さんは「ユーガッタメール」「恋人たちの予感」「めぐり逢えたら」を撮ってる監督さんでした。やはり作風はよく似ていますね。そういえばメグ・ライアンはどうしてしまったのでしょうね。またスクリーンに戻ってきてほしい女優さんです。メグでもOKの感じで、鼻を動かすのはお約束の作品でした。

🎬 冬の華

1978年 東映

監督:降旗康男

出演:高倉健池上季実子田中邦衛北大路欣也三浦洋一

鑑賞:BSトウエルビ

幸福の黄色いハンカチ』の次の年の作品で、再び東映に戻って、監督・降旗康男×脚本・倉本聰×主演・高倉健の作品。健さんにぴったりの役柄でそれもその筈、倉本聰が、健さんが演じてきた東映任侠映画の主人公像を膨らませて書いた健さんの為の役だそうです。ストーリーは刑期を終えたヤクザ・秀次。彼には気にかかる若い女性が居た。その女性・洋子は、秀次が刑務所に入る事となった殺した相手の娘だった…。この映画は健さんが最高にかっこいいです。周りもかつての東映任侠映画常連の渋い面々ばかり、そんな中で池上季実子が清涼剤のように若く、美しく、可憐です。音楽がまたよかったです。クロード・チアリの切ないギター、チャイコフスキーの名曲も激しく感情を揺さぶります。初見でしたが手元に置いておきたい1本でした。

 

🎬 新・極道の妻たち

1991年 東映

監督:中島貞夫

出演:岩下志麻高嶋政宏、桑名正博、かたせ梨乃、夏八木勲

鑑賞:BS松竹東急

シリーズ5作目、岩下版として3作目になります。途中でこれ見たことに気づきましたが、やはり面白いですね一気に最後まで見てしまいました。今回は母と息子。脚本家が女性ならではの視点という気がします。ドラ息子に振り回される母親というお話でしたので、これだったら三田佳子にやらせたかったなと個人的に思いました。高嶋政宏の演技がまだまだなのが今となっては微笑ましいです。桜の下の岩下志麻とかたせ梨乃が歩くシーンは写真で撮ってみたい見事な美しさがありました。岩下志麻をしっかり立てながらもかたせ梨乃や本田博太郎の最後の見せ場はあっぱれでした。それにしてもラストシーンすっかり忘れていました(笑)

 

🎬 追憶の森

2015年 東宝東和

監督:ガス・ヴァン・サント

出演:マシュー・マコノヒー渡辺謙ナオミ・ワッツ

鑑賞:BS松竹東急(吹替え)

自殺の名所の富士山青木ヶ原樹海を舞台にした、サバイバル・ドラマ風になっています。折々に見せる回顧録が、自殺を至る経過を物語っていますが、渡辺謙マシュー・マコノヒーによる二人芝居のように展開されていきます。樹海の奥へ進むうちアーサーは、ボロボロに衰弱したタクミ(渡辺謙)と名乗る男性と出遭います。誤って樹海に迷い込んだタクミは2日間も彷徨っているという。タクミのためにいっしょになって樹海の出口を探すアーサーは・・・というおハナシ。おそらく渡辺謙は実在ではなく、主人公が幻をみているような感じがしましたがそのあたりは定かではありません。何のために主役マコノヒーの前に現れたのか、ラストとの繋がりが未だスッキリしないそんな不思議な1本でした。