1987年 東宝
監督:市川崑
鑑賞:BS松竹東急
日本映画史を代表する大女優である田中絹代の半生を描いた市川崑監督のドラマ映画です。吉永小百合が田中絹代を演じていますが、やはり美しさは際立っています。それと菅原文太演じる溝口健二監督が渋くて良かったです。こんな文太は見たことがないのでそういう面では貴重な1本だと思います。
2017年 ユニバーサル
監督:ジョー・ライト
出演:ゲイリー・オールドマン
鑑賞:Amazonプライム(吹替え)
『ダークナイト』シリーズでは優しいゴードン警部補のイメージが強いゲイリー・オールドマンですが、今回は短気で口が悪くイライラした演技と特殊メイクでチャーチル本人のように似ていると評判だった1本です。因みにオールドマンの特殊メイクを担当したのは、日本人メイクアップアーティストの辻一弘さんです。物語は戦争映画を第一線の戦場ではなく遠く離れた政治の場での駆け引きの面から見せることで、かえって現実味を感じました。『ダンケルク』の裏での国内外の交渉の様子が興味深かったし、英国映画らしいテンポの良さと時折皮肉を交えた展開は、最後まで飽きることがなく見れました。エンディング後の最後の最後に「あの音」を流したのもなんとも粋な終わり方でした。じっくりもう一度みてみたい1本です。
1996年 松竹
監督:神山征二郎
鑑賞:BS松竹東急
宮澤賢治生誕100年を記念して制作された作品です。有名な「雨にも負けず」は知っていますが、他の作品は文章が明治時代のものなので途中で読むのをやめたのを覚えています。宮澤賢治は貧しい生活を送った末に若くして病死したという勝手なイメージを持っていたのですが、そこそこ裕福な商家(質屋)の生まれだったのは意外でした。そして彼が仏教への信心と寒冷地の農業に身を捧げていたことも初めて知りました。そんな彼の人となりがこの映画で理解できたのですが、ただ彼がいつどうやって素晴らしい作品群を執筆したのか、今ひとつわからないところがあります。最後に読まれる「雨ニモマケズ」は見事に彼の生き方を象徴しており見事でした。この詩が彼の遺品のノートにメモされていただけだったことには驚きます。もし彼が命長らえたら、どんな作品を残したのでしょうか。そんな思いを馳せてみたくなるような1本でした。
2023年 ギャガ
監督:和田圭介、三原光尋
出演:アントニオ猪木
鑑賞:Amazon
昭和のプロレス、猪木ファンとしましては、この映画の予告観た時に映画館のスクリーンで、猪木さんを観ようと思いましたが、あっという間に公開が終わり公開から3ヶ月で、アマゾンプライムで鑑賞となりました。定番の決め台詞「元気があれば何でもできる!」アントニオ猪木は死してなお、私達に勇気や元気を与え続けてくれる真のスーパースターだと思います。内容はインタビュー有り、対談有り、講談有り、ドラマパート有りと面白くも珍しい構成で、猪木信者には何分賛否はあると思いますが私としましては楽しめるのではないかと思います。自分が生きてる間に、アントニオ猪木を凌駕するカリスマレスラーが現れる事はないだろうと思います。テーマ曲「炎のファイター」を聞けば奮い立つ自分がいますし、ガウンを脱ぐ姿はかっこよすぎで今も脳裏に焼き付いています。「イノキッー!!」
1976年 コロンビア
監督:マーティン・スコセッシ
鑑賞:地上波デジタル放送(吹替え)
DVDは持っていますが、今回は地上波デジタル放送の吹替えで見てみました。48年前の作品とは思えないほどクリアな映像で音声も聞き取りやすかったです。やはり昔の作品は地上波やBS放送で見るのに限りますね。もうDVDは見れなくなりました。物語はトラヴィスの「生きづらさ」を見事に表現したロバート・デ・ニーロの演技がやはり凄すぎますね。この頃はデニーロ自身もとんがっていたんだと勝手に思っています。徐々に狂気に蝕まれる様も、リアルすぎて目を背けたくなります。タクシーのフロントガラスに映るニューヨークの街が、悲しいほどに美しくかっこよく映ったのが今回見た中での新たな視点でした。