2009年 フィルムパートナーズ
監督：深川 栄洋
【あらすじ】
人生の節目を迎えた3組の夫婦の姿を描いたドラマ。定年や離婚、病気といった出来事に直面し、改めて互いの関係を見つめ直すことになった熟年夫婦たちの心情を切々と綴る。
この年になったんで、映画のタイトルに惹かれて観てしまいました(笑)。うーん、中村雅俊は久しぶりに観ましたが、よく見ていた40年前の先生役や刑事役の時と同じ感じで、さすがに少し違和感を感じたかな(笑)
全体的には熟年の夫婦や男女の物語が味わい深く描かれていて、最後まで飽きることなく鑑賞できました。
しかし物語の本流でもある定年離婚をした夫婦の結末には、とても違和感を感じました。30年支えてきた妻を、定年を機にポイと捨てて若い女性の元へ行ったはいいが、あらゆることにギャップを見せつけられやっと現実を見る冷たい夫。
一方妻は、やっと自分の羽で羽ばたき始めまだ見ぬ世界で謳歌しようとした矢先に、濡れ落ち葉が張り付くように前夫が阻んでくる。男ってこんな感じになるのかな・・・
これを美しい感動的な話としたいのならば、それはちょっとお角違いでしょう。
30年間我慢してきた彼女には、花の香漂うラベンダー畑を新しいパートナーと歩いて欲しいと思いました。二人がよりを戻すことがハッピーエンドにはどうも思えないんですがね。
イッセー尾形と綾戸智恵の夫婦がこれがとても良かった。イッセー尾形って渋いですね。井上順も本当に自然でナイスという感じ。それとなんといっても原田美枝子、抑えた芝居が実に良かった、後味はあまりよくありませんがそれぞれの熟年のお芝居を堪能させていただきました。
