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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 ムーンライト

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2016年 アメリ

監督・脚本:バリー・ジェンキンス

トレヴァンテ・ローズ、アシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリナオミ・ハリス

【あらすじ】

名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校では“オカマ"と呼ばれ、いじめっ子たちから標的にされる日々。その言葉の意味すらわからないシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中で、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに。

 

この作品はアカデミー作品賞受賞作品です。受賞作品はえてして難解な作品が多いんですがこの映画はシンプルで分かりやすい作品でした。おそらく黒人しか出演していないような気がします。黒人であるが故に強くあるべき、という固定観念に常に苛まれていたシャロンの成長を少年、青年、成人のそれそれの時代を3部構成で綴られています。直接的な描写は最小限に留めつつも同性愛が一つのテーマであることをしっかり描写されていますし、その一方で家族愛やドラッグといった主題もしっかり表現されている、表現力の高い作品でした。私は黒人のLGBTの映画は見たことがなかったので、それも新鮮でした。いじめに関しても、経験がある人にとっては、特に心が揺さぶられてしまいます。目の前で起こっていても止められなかった無力感・教員に言ったところでいじめている側には響かない無力感…経験者は痛々しいほどに感じるかもしれません。大人になってから、体を鍛えて、いいものを身につけても過去は変えられない無力感。テンポはゆっくりであり、人によっては退屈かもしれませんが、終盤になるにつれて、母親の謝罪や旧友との再会などじわじわと心が揺さぶられます。テーマが多く絞られていないので、そのあたりは観る側で受けとめなければならいと思いますが、我々日本人にとっては彼らの重い苦しみは理解できないのかもしれません。様々な問題をつきつけられた重い一作でした。