2016年 東映
観賞:Amazonプライム
原作は瀬戸内寂聴、瀬戸内晴美時代に書かれた官能小説の映画化された作品です。
昭和といいますか戦後まもなくの情緒がある映画でした。ただストーリーは身勝手な女の話といったところでしょうか。瀬戸内寂聴の小説は何冊か読みましたが、どの作品もただ性欲に突き進む理不尽なエゴイズムしか感じられませんでした。それでも出家し長生きされ、優雅に肉料理をこよなく愛され多くの信者もいたことに仏の世界は本当にこれでいいのと反発さえ覚えたことがありました。ところでこの作品ですが、当時女性の活躍の場が無かった事もありますが、主人公の夫は疑い無くまじめに働き、その愛して養う夫を利用し、単に身勝手に最初から好きでないという観念から不貞まで働く。何の共感もわかない最低の言動でした。これが瀬戸内ワールドなんでしょうね。今公開されている「あちらにいる鬼」は寺島しのぶが寂聴を演じていますが、どういう感じに表現されているかちょっと見てみようと思っています。寂聴の見方が変わるかもしれません。でもどうしても自分には理解できない女性のお一人です。