ホームシアターブログ

プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 THE INFORMER 三秒間の死角

2019年 ワーナーブラザーズ

監督:アンドレ・アディ・ステファノ

出演:ジョエル・キナマン, ロザムンド・パイク, コモン

【あらすじ】

 自由の身と引き換えに、FBIの情報屋になったピート・コズローは、最後の任務を迎える。潜入先のマフィアのボス“将軍”の麻薬取引現場にFBI捜査官ウィルコックスを導き、組織を一気に壊滅させるのだ。成功すれば、愛する妻と幼い娘との幸せな暮らしが待っている。ところが、取引現場でマフィアの仲間が取引相手を射殺してしまい、作戦は中止になってしまう…。

 

この作品は覗かせていただいているブログさんのレビューを拝見してスピード感があって面白そうなので早速観てみました。キャストは私はあまりといいますかほとんど馴染みがない役者さんでしたがみなさん熱量が半端なくとても熱いお芝居をされているように感じました。主人公の奥さん役の女優さんがすごく可愛くて気になりました(笑)。見せ場の多い凝った展開でハッピーエンドではありませんが、アクションとスリルは満載で堪能できた1本でした。いい作品を紹介いただきありがとうございました。原作も面白いようなので読んでみたいと思います。

🎬 旅猫リポート

2018年 松竹

監督:三木康一郎

出演:福士蒼汰竹内結子広瀬アリス木村多江

【あらすじ】

元野良猫のナナ(声:高畑充希)は、交通事故にあったところを心優しい猫好きの青年・悟(福士蒼汰)に助けられ、5年間、飼い猫として幸せに暮らしてきた。しかし、とある事情で悟はナナを手放さなくてはならなくなり、ナナと一緒に、新しい飼い主を探す旅に出る。 銀色のワゴンに乗った悟とナナは、悟の小学校時代の親友(山本涼介)、高校時代の友人夫婦(広瀬アリス大野拓朗)、幼少の頃からお世話になっている叔母(竹内結子)など、悟がこれまでの人生で出会った大切な人たちを、順に訪ねていく。それは図らずも悟の人生を振り返る旅となるのだが・・・。

 

この映画はちびゴリさんのレビューで知って猫好きなので早速観てみました。時間軸を若干動かしているので途中あれっ!て思わせるシーンはありましたが、なんとか最後までついていくことができました。時間軸を動かすといいますか、振り返るという言い方のほうが正しいのかもしれません。テロップが入るとわかりやすいのですが、いきなり場面が変わるのは頭がついていかない(笑) 原作は「阪急電車片道15分の奇跡」の有川浩さんなんですね。やはりどこかほっこりさせるのはよく似ていると思います。猫のナナと悟の絆はもちろん、悟が過去に飼っていたハチや、学校の友達、家族…たくさんの絆が温かく描かれています。どのシーンも、ほっこりするようなエピソードがありコトリンゴの音楽も作品に合っていて良かったです。木村多江の薄幸さはいつもながらてっぱんで、それと竹内結子の叔母さんが最後はまたいい感じで泣いてくれますので、こちらもいろんな意味で涙をさそいました。ほっこりと心が温まる猫好きではない方も、楽しめるのではないかと思える作品でした。

🎬 ミセス・ノイズィ

2020年 アークエンターテインメント

監督:天野千尋

出演:篠原ゆき子、大高洋子

【あらすじ】

小説家で母親でもある真紀は、スランプに悩まされていた。そんなある日、隣人・美和子による嫌がらせが始まる。真紀は美和子を小説のネタにし反撃に出るが、マスコミやネット社会を巻き込む大騒動へと発展して…。

 

篠原ゆき子を楽しもうと思って見たこの作品は、大高洋子さんという強烈なインパクトのある演技にくぎ付けになりました。演技の幅が広いんです。子ども好きの優しいおばさん、亭主の介護を懸命にしている妻、早朝からふとんをバンバン叩く強烈な個性を出すおばさん、実に凄かったです。こいう無名な女優さんがいるということは、演劇の世界は人材が豊富ということなのでしょうね。映画としましてはストーリーの面白さを堪能できる作品だと思います。隣家の騒音という身近な切り口から話が広がり、家族や人生のことでホロリとさせられます。ネットでの動画の拡散、SNSによる攻撃・中傷など昨今の社会問題も描いていて、リアリティーもあるし、なんといっても大高洋子さんの熱演が素晴らしいです。多くの方に見ていただきたい作品でした。ネットフリックスで配信されています。

🎬 リメンバー・ミー

2017年 ディズニー

【あらすじ】

ミュージシャンを夢見るギターの天才少年ミゲル。だが、彼の一族は代々、音楽を禁じられていた。ある日、ミゲルは先祖たちが暮らす “死者の国"に迷い込んでしまった。日の出までに元の世界に戻らないと、ミゲルの体は消えてしまう! そんな彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ、ヘクター。やがて二人がたどり着く、ミゲルの一族の驚くべき“秘密"とは?すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー"に隠されていた…。

 

ディズニーを観るのは実に久しぶりだったように思います。ジブリは難解な作品がありますが、ディズニーはわかりやすい作品なので安心して観ることができます。この作品も映像、音楽はもちろん素晴らしいですが、話自体は自分の亡くなった家族に置き換えられるので、ストーリーそのものでは特にどうこうではなかったものの、最終的な死=人の記憶から忘れられてしまうというテーマなので、自分の家族を振り返った時に、亡くなった人を思い出すのではないかなと思いました。そういう意味では自分の中にある生前の人を思い起こさせる映画でした。大人が見ると色々な年代で思うところ、感じるところがある映画だと思います。お子様むけではありませんが、テンポもいいので、エンターテイメントとして楽しむのもヨシですね。

🎬 トラ!トラ!トラ!

1970年 20世紀フォックス

監督:リチャード・フライシャー、桝田利雄、深作欣二

出演:マーティン・バルサム山村聡田村高廣、東野栄次郎

 

初見なんですけど、WIKIで調べてみると当初日本側の監督は黒澤明だったんですね。桝田、深作のこの作品ももちろんいいですが、今となっては黒澤のメガフォンのこの作品も観てみたかったと思います。50年以上も前の作品なのでもちろんCGはありません。真珠湾攻撃シーンは実にリアルで素晴らしいものがありました。それとパールハーバーと違い日米をフェアに描いているのは、これでこそ日米合作というような気がします。しかしどうしてこの作戦を強行したのか、このあたりをもっと掘り下げている作品は他にないのかなぁ、どなたかご存じでしたらご教示お願いいたします。

 

🎬 Red

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2020年 日活

監督:三島有紀子

原作:島本理生

出演:夏帆妻夫木聡柄本佑

【あらすじ】

誰もがうらやむ夫、かわいい娘、“何の問題もない生活"を過ごしていた、はずだった塔子。10年ぶ りに、かつて愛した男・鞍田に再会する。鞍田は、行き場のなかった塔子の気持ちを、少しずつ、少 しずつほどいていく……。しかし、鞍田には“秘密"があった。過去と現在が交錯しながら向かう先 の、誰も想像しなかった塔子の“決断"とは-。

 

原作の島本理生の「ファースト・ラブ」が衝撃的だったので同じ作者ということで観てみました。「ファーストラブ」とはかなり違って不倫純愛ものでした。たまにはこういうのもいいかな。そういえばよく渡辺淳一を読みましたから。最後は泣く子を捨てる母親の夏帆がいてるんですが、確かにここは常識論でいうとなんて母親なんだとお叱りを受けると思いますがそこが不倫というものなんでしょうね。一番愛するもののところに行くとうことはそれなりの覚悟を持ってしていることなんでしょう。常識をもって人生を為すという方には不向きな内容だと思います。私ですか、OKです(笑)っていうか色々あって結婚2回してます(爆)

 

🎬 ユリゴコロ

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2017年 東映 日活

監督:熊澤尚人

出演:吉高由里子松坂桃李松山ケンイチ

原作:沼田まほかる

【あらすじ】

カフェを営む亮介(松坂桃李)の日常はある日突然崩れ去った。男手ひとつで育ててくれた父親が余命わずかと診断され、結婚を控えていた千絵(清野菜名)はこつ然と姿を消してしまったのだ。新しい家族を作ろうとしていた矢先の出来事を受けとめきれない亮介は、実家の押し入れで一冊のノートと巡り会う。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートに書かれていたのは、美紗子と名乗る女(吉高由里子)の手記。人を殺めることでしか自分の生きる世界と繋がることができない女性の衝撃的な告白だった。

 

イヤミスの女王沼田まほかるの原作ということで、原作は読まずに観てみました。初めから重く暗い物語だということは分かっていましたが、やはり想像以上に重くて胸苦しい作品でした。子どもが溺れるシーンやリストカットのシーンなんかはものすごくリアルです。思わず目をそらしました。物語は終盤に行くにつれて人間の温かさを感じさせてくれます。出ている俳優陣は良かったです。特に吉高由里子松山ケンイチ松坂桃李の3人。(メインの3人)吉高由里子は終盤に行くにつれ人間味を取り戻しつつ過去に縛られる姿をうまく演じていたと思うし、松山ケンイチも心の優しい役がめちゃくちゃハマっていたと思います。松坂桃李はここ最近本当に良く映画に出ていますが、葛藤したり高揚する主人公の1人をしっかりと演じている所は本当に見事だと思いました。ただし、グロシーンがリアルすぎるのと、殺人の嗜好は共感、理解しにくいものがあると思うのでぜひにとはおススメはしませんが、個々の主要人物の葛藤をリアルにみごとに表現されている所と、俳優陣の演技の素晴らしさなども含めると自分は見て良かったと思いました。ちょっと無茶なシーンもありますがあおのあたりはご愛嬌ということで。やはり沼田まほかるは原作を読みたくなる作家さんの一人です。