2018年 東宝
監督:福澤克維
【あらすじ】
東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見され、殺害現場となったアパートの住人も行方不明になっていた。遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを知った加賀恭一郎は、激しく動揺し…。
この作品は松本清張の「砂の器」に対するオマージュを強く感じさせられました。「砂の器」が様々な事情により地上波などでの放映が難しい今、東野圭吾と福澤監督が見事に現代に蘇らせた作品といって良いと思います。特に松嶋菜々子の演技がピカイチで、ゾッとするような表情が凄かったです。本気の演技というか、やまとなでしこ時代のイメージとは全然違うまさに「女優」という言葉が相応しい貫禄を感じました。珍しく小日向さんが押されて、阿部寛が霞みましたね。 東野圭吾さんの小説はいつも謎が解けるとき、いつも悲しいですね。だれもその不幸に手を伸ばして助け出そうとする者がいなくて、自分たちで乗り越えようと必死でもがいている。しかもそれがいろんな愛ゆえの悲劇なので、見ていていつも悲しいと思います。それゆえに心に響くいい作品でした。