2013年 東宝
監督:西谷弘
【あらすじ】
手付かずの美しい海が残る波璃ヶ浦。開発計画の説明会にアドバイザーとして招かれた天才物理学者・湯川は、宿泊先の旅館でひとりの少年・恭平と出会う。その翌朝、堤防下の岩場で男性の変死体が発見され…。
東野圭吾原作のガリレオシリーズの第2弾です。「疾風ロンド」と同じ作者かと思わせるくらいよくできたサスペンスでした。福山の湯川先生もぴったりでこの役が彼には一番にあっているんじゃないかと思わせるほど、謎解きの雰囲気はインテリの学者そのものでした。前田吟もいぶし銀で上手かったし風吹ジュンがなんともいえず薄幸の女をうまく演じていましたね。子役もうまいし、それと杏のスキンダイビングは見事でした。泳ぎ方も綺麗し呼吸の仕方もばっちりですしちょっと唸ってしまいましたよ。内容は昔から変わらない美しい自然の前で、昔も今も人の営みは続いていく。逃がれられない人間の責任と哀しみの連鎖を受け止める覚悟を問うこの作品は、単なる推理ドラマの枠を越えた作品に思えました。フジテレビが制作に関わっているので、日本アカデミー賞にはノミネートされなんいでしょうね。賞をとってもおかしくない作品でした。