2006年 シネカノン
監督:李相日
出演:松雪泰子, 豊川悦司, 蒼井優, 山崎静代, 岸部一徳
【あらすじ】
昭和40年、閉鎖の迫る炭鉱の街を救う一大プロジェクトの目玉となるフラダンスショーのために、東京からやって来た女ダンサー。教え甲斐のないド素人の炭鉱娘たちに嫌々フラダンスを教える彼女だったが…。
久しぶりの再見です。皆さんよくご存じだと思いますが、現役ダンサー(松雪泰子)の演舞指導により、ラストのステージは身の毛のよだつ完成度でそれだけで十分価値がありますね。ソロの蒼井優をはじめ、途中のドタバタからは想像できない演者達の躍りは拍手喝采ものでした。そこには神々しいまでの美しさが溢れていて、実話のチカラと製作スタッフの努力に自然と涙が込み上げてきました。
ダンサー以外では、いつもは優しい役が多い富司純子の昭和の強い母親像が特に印象的。彼女の娘を思っての心情変化は強く心に響きました。それに岸部一徳のマネジャーは見事に中間管理職の悲哀を演じられていたと思います。昭和人の逞しさと心意気を語る神話として、永久に日本映画史に刻まれるべき感動の名作ですね。とてもいい作品でした。