2008年 シネカノン
監督:是枝裕和
【あらすじ】
夏の終わりに、横山良多は妻と息子を連れて実家を訪れた。開業医だった父とそりのあわない良多は失業中のこともあり、ひさびさの帰郷も気が重い。明るい姉の一家も来て、横山家には久しぶりに笑い声が響く。得意料理をつぎつぎにこしらえる母と、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。ありふれた家族の風景だが、今日は15年前に亡くなった横山家の長男の命日だった…。
13年前の是枝作品です。夏の帰省1泊2日を淡々と描き、物語は実にリアルに進んでいきます。山田洋次監督作品かなと思わせるほど見事な是枝流のリアルさでした。実家に久々に帰省した次男一家と両親、妹家族の交流を淡々とリアルに描いているだけの作品。でも、心に刺さる会話がチラホラあるのは流石ですね。120分ある作品ですが不思議と退屈せず、じっくり観ていられる手腕はすごいです。やっぱり希林さんの演技は凄いというか実にリアルで上手いですね。「ブルーライトヨコハマ」のレコードをかけるシーンなんかは実に秀逸でした。共演の原田芳雄さんともにもう鬼籍に入られてしまいましたが、こうして往年のお姿を拝見できる映画って実にいいものですね。