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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 アメリカン・スナイパー

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2015年 ワーナーブラザーズ

監督:クリント・イースト・ウッド

出演:ブラッドリー・クーパー, シエナ・ミラー, ルーク・グライムス

【あらすじ】

米軍史上最多、160人を射殺したひとりの優しい父親。国を愛し、家族を愛し、戦場を愛した男――。描かれるのは伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生。2003年にイラク戦争が始まってから4回に渡り遠征。その常人離れした狙撃の精度は1.9km向こうの標的を確実に射抜くほどだったという。公式記録としては米軍史上最多の160人を射殺。味方からは「伝説の狙撃手」と英雄視される一方、イラクの反政府武装勢力からは「ラマディの悪魔」と怖れられ、その首には2万ドルの懸賞金がかけられた。しかしカイルの素顔は、命がけの壮絶な局面でも仲間を一心に守りたい、そして良き夫、良き父でありたいと願うひとりの男。戦争の狂気に取り憑かれつつ、故国で待つ家族をこよなく愛する主人公の光と影を生々しく掘り下げる。

 

クリントイーストウッド監督作品だったので見てみました。この監督にははずれの作品は本当にありませんね。この作品もまさしく見事な戦争をとおしての人間愛と葛藤を見事に描いていました。ただ我々日本人(自分自身)がこの映画を見て、多少なりともこのスナイパーが英雄視されるのに違和感を抱いてしまうのは、彼が女・子供でも殺してしまうからではないでしょうか。私たち日本人は常にアメリカ側の視点でしか今やこのイラク戦争を見れなくなっていますが、子供たちまで殺す戦争が正しい戦争なんかであるはずがありません。いえいつの時代の戦争でも一般市民が巻き添えになっているんです。戦争ってそういうものなんです。この映画が戦争映画として議論を巻き起こして、評価されたのも、この子供や女を撃たざるを得なかったスナイパーの苦悩を描いたところだと思います。ラストで主人公の身に起こったことが、まさしくアメリカ自身の矛盾によって引き起こされた悲劇のような気がします。クリントイーストウッド監督あっぱれの視点でした。