ホームシアターブログ

プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 二十四の瞳

PVアクセスランキング にほんブログ村

1954年 松竹

監督:木下恵介

出演:高峰秀子、田村高広、笠智衆

鑑賞:BS松竹東急

有名どころの作品ですが初見でした。また木下恵介も有名な監督さんですが、晩年の「衝動殺人息子よ」を見たぐらいでほとんど知らない監督さんです。黒澤監督、小津監督と並んで巨匠のお一人ですよね。この作品は暗いといいますか、強い人が全くといっていいほど登場していません。黒澤監督は戦後の強い日本を作った監督さんに対して真逆の監督さんのような気がします。物語は日本が第二次世界大戦を突き進んだ歴史のうねりに、否応なく飲み込まれていく女性教師と生徒たちの苦難と悲劇を通して、戦争の悲壮さを描いた作品です。それとこの作品は反戦映画というか物語なんですよね。原作は第二次世界大戦終結から7年後に発表された小説で、作者の壺井栄は、自身が戦時中を生きた者として、この戦争が一般庶民にもたらした数多くの苦難と悲劇を描いています。特に戦争によって失明する田村高広の若かりし頃の演技は涙を誘います。それと主人公の高峰秀子のご主人役で死神博士天本英世が出ているのも興味深く見させていただきました。手元に置いて置きたい反戦映画の名作だと思います。