ホームシアターブログ

プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 ジョーカー

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2019年 アメリ

監督:ドット・フィリップス

出演:ホアキン・フェニックスロバート・デ・ニーロ

【あらすじ】

「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか、切なくも衝撃の真実が明かされていく。

 

恥ずかしながら主役を演じている、ホアキン・フェニックスという男優さんは知らなかったです。流石のアカデミー賞を獲っただけのある見事な演技だと思いました。

冒頭からのシーンでつかみもよくテンポもよくあっという間に鑑賞できました。

認知症の母親を介護しながらギリギリの生活を強いられる最下層市民の大道芸人アーサーは、エンタメへの夢や希望を見失って自らの存在を否定していきますが、人を蹴落とすだけの身勝手で醜悪な階層社会に幻滅し、資本家やエリート社員、政治行政への不信と怒りが沸点に達し、“銃”に魅せられたのを機に暴力と闘争に価値を見出だし、やがて暴走していく…

この作品はどこかあの「タクシードライバー」の流れをくんでいるように思えます。44年前にモヒカン頭でタクシードライバーを演じだ若者デ・ニーロが、成功し今や立派なTV司会者になっている、そんな風に私は観てしまいました。

しかし、アメリカ映画の凄いところは大物俳優のデ・ニーロがあの最期でいいのか、日本の大物俳優なら考えられないような役どころだったと思います。これが真の大物かもしれませんね。

今のアメリカ社会と45年前も社会の闇は何も変わっていないかもしれませんが、ただ金持ちや成功者は敵で、貧困を社会のせいにし暴力で自分の存在を訴えるという手法は私は賛成できません。

しかし、ハリウッドは奥が深いというか懐が深いというか、色々な引き出しから作品を作り出していきますね。邦画も見習わないところがあると思います。

🎬 最強のふたり

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2011年 フランス

監督:エリック・トレダノ 出演:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー

【あらすじ】

 事故で頚髄損傷となり、首から下が動かせなくなった富豪のフィリップは、自分の世話係を探していた。希望者たちが「社会貢献のため」「障害者の生活に希望を…」などと口にする中、黒人の青年ドリスは失業保険を貰うべく、元から不合格にされるため応募しただけだった。フィリップはそんなドリスに興味を持ち、一ヶ月の試用期間を提案する。

 

この作品もブロ友ふくさんのおすすめの中にあった1本でした。

フランス映画とは知らず、観ているうちになんかアメリカ作品とは違うし、俳優さんも主人公の障がいを持つ役者さんがダスティン・ホフマン?と思っていたら全然違っていました…(-.-)、日本で公開されたフランス語映画の中で歴代1位のヒット作品だったんですね。 知らないことばかりで観終わってから色々と勉強になった作品でした。

前回の「世界一キライなあなたに」の障がいを持つ主人公とは相反するものがありましたが、どちらも甲乙つげがたい良質な作品だと思います。

この作品は、貧乏なその日暮らしの黒人の青年が介護を通して、障がいのある人に偏見を持たずに、自分の仲間と同じように接する点、それはしかも、介護や介助ではなく心からのケアをしています。

障がいがあるとかないとかで垣根を作るのではなく、純粋に人間同士として付き合う彼らの姿にたくさん考えさせられました。

でも、それが全く悲痛でなく、すこぶる明るく、プラス思考なのが最高だと思います。

これは実話に基づく作品なのでさらに説得力を持つものではないでしょうか。

観て損はないフランスの良質な1本でした。

 

 

 

🎬 スマホを落としただけなのに

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2018年 東宝 

監督:中田秀夫

出演:北川景子田中圭成田凌

【あらすじ】

彼氏の富田に電話をかけた麻美は、スマホから聞こえてくる聞き覚えのない男の声に言葉を失った。たまたま落ちていたスマホを拾ったという男から、富田のスマホが無事に戻ってきて安堵した麻美だったが、その日を境に不可解な出来事が起こるようになる。時を同じくして、人里離れた山の中で次々と若い女性の遺体が見つかる事件が発生していた。スマホを拾ったのは誰だったのか。連続殺人事件の真犯人はいったい誰なのか…。

 

出演されている俳優さんの名前は知っている程度で、ゆっくり演技をみるのはどの方も初めてのような気がします。やはり北川景子さんは美人ですね、綾瀬はるかさんも美人だと思いますがひけをとらない今風の美しさがある女優さんだと思います。演技は…(-.-)、田中圭さんは人のいい感じを上手く出されていました。私が一番驚いたのは「成田凌」さん。二役というんでしょうか、怪演には驚きました。

内容は少し詰め込み過ぎかなっていうのが感じられました。主題は情報社会対する警告映画だと思われますが、連続殺人、成り代わり、虐待、中絶、ストーカー、不倫などちょっと内容が多すぎてついていくのに精一杯でした。

スマホを落とすとこうなりますよ、「うわー、こわー」って思いながら観れるサスペンスコメディでしょうか。

 

 

🎬 世界一キライなあなたに

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2016年 ワーナーブラザーズ

監督:テア・シャーロック

出演:エミリア・クラーク、サム・クラフリン

【あらすじ】

ある日、働いていたカフェが閉店することになり、突然、職を失ってしまったルー。新たに得た職は、元々は快活でスポーツが大好きな青年実業家だったが、バイクの事故の影響で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失ってしまった、ウィル・トレイナーの介護兼話し相手をする、期間6か月の仕事だった。

 

この作品は、覗かせていただいているブロ友の、ふくさんのおすすめ作品の中にあったので観させていただきました。

 冒頭から映し出される画も美しく、時折シンクロする音楽も爽やかで気持ちよく物語の    中に入り込めました。恋愛映画では描かれる二人の間に障害が横たわるのは定石といってもよく、この作品にもそれはあるのですが、それにしては結構、質量ともに大きなテーマが扱われています。
障がいを持ってひねくれてしまった彼とまっすぐな彼女の恋愛映画として、面白く観れるとは思うのですが、後味はありきたりなものにはなっていません。これをどう受けとめるかは観る側の判断に委ねられています。

障がい者とはということを改めて考えされられる作品ですし、人間の尊厳とはということを問われているような気がしました。

主役のエミリア・クラークは「ターミネーター・新起動」のサラ・コナーを演じてられているんですね。キュートで表情が豊かな女優さんなのでまた観てみたいと思います。

 

 

🎬 舟を編む

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2013年 松竹

監督:石井裕也

出演:松田龍平宮崎あおいオダギリジョー加藤剛小林薫

【あらすじ】

出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめ みつや)は、営業部で変わり者として持て余されていたが、言葉に対する天才的なセンスを見出され、辞書編集部に異動になる。新しい辞書「大渡海(だいとかい)」――見出し語は24万語。完成まで15年。編集方針は「今を生きる辞書」。個性派ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は辞書編纂(へんさん)の世界に没頭する。 そんなある日、出会った運命の女性。しかし言葉のプロでありながら、馬締は彼女に気持ちを伝えるにふさわしい言葉がみつからない。問題が山積みの辞書編集部。果たして「大渡海」は完成するのか、馬締の思いは伝わるのだろうか。

 

アマゾンプライムで観てみました。プライム会員ならこの作品は無料で観ることができます。

いい作品でした。悪はないし、喧嘩や争いもない、その分劇的なラストに持っていくことのないゆったりとした時間が流れる上質な作品でした。最近観ている邦画は本当によくできた作品に巡りあえています。

主役の松田龍平さんのこのマジメ君の役は、まさにはまり役だと思いました。演技というより素の顔のドキュメンタリィーを観ているような気にさせ、自然体でありながら、それでいて飄々としている中に確固とした情熱が垣間見える演技は本当に素晴らしいと思いました。大好きな松田優作さんの息子さん達がこうして一線で活躍しておられるのをうれしく思い、また時間の流れの早さに感慨深いものがあります。

辞書の製作にかかる膨大な資料と時間、この年になって恥ずかしながら初めてしりました。まさにあっぱれです。サラリーマン人生のほとんどを辞書製作に費やすとは本当に好きでないと無理だと敬服しました。

今は亡き、加藤剛さんも上品ないい老いを演じられていましたし、妻役の八千草薫さんもやさしい役どころでほのぼのしました。

辞書の編纂という仕事に情熱を注ぐことで、人生を形作っていった男と彼を支えた人々を追いながら、声高に主張するでもなくこびるのでもなく、ただひたすらに主人公の仕事や、まわりの人々に対するぶれない静かな謙虚さを描くことを通して、人が人を理解し、つながりあうとはどういうことなのかを見つめたいい作品でした。

🎬 アウトブレイク

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1995年アメリカ 

監督:ウォルフガング・ペーターゼン

出演:ダスティン・ホフマンレネ・ルッソモーガン・フリーマン

【あらすじ】

アフリカから持ち込まれた1匹の猿を感染源として、新種のウイルスがアメリカの小さな町を襲った。医師サムと彼のチームは、治療法発見のために奔走し、軍の極秘血清にたどりつく。だが、なぜ新種のウイルスに血清が存在するのだろう?一方、軍上層部はウイルスの広がりと、ある軍事機密の漏洩を防ぐため、町ごと爆破しようと企んでいた。

 

邦画「感染列島」に続き、やはり今だからこそ観ておかないと思い観てみました。

今まさに「武漢」も封鎖されています。まさに映画と同じ展開です。徐々にこれから世界に広がっていくのか、映画のように特効薬が見つけだされるのか、インフルエンザと同じでまた新しい病気が広がっていくような感じがします。ウィルスと人間はこの先どう戦っていくのか、今試練の時かもしれません。私は暴飲暴食はせず自己免疫力を高めていくのも一つの防衛手段ではないだろうかと思います。

この作品はさすがにアメリカですね、軍も出てきて激しいヘリでの空中戦もみどころのひとつだと思います。ダスティン・ホフマンも久しぶりにみましたけど、やはり台詞ひとつひとつに説得力がありますね。モーガン・フリーマンもいい味をだしておられました。レネ・ルッソはあの「マン・インターン」のフィオナですよね。美しかったです。

それと、ケビン・スペイシー、あの出演の仕方でよかったんでしょうか(笑)

これもまたさすがアメリカと思った作品でした。

 

 

🎬 感染列島

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2009年 東宝 瀬々敬久監督作品

出演:妻夫木聡檀れい

【あらすじ】

新型ウィルスがもたらす脅威を描いたパニックヒューマンドラマ。正月明けの市立病院。救命救急医・松岡の下にひとりの患者が運び込まれる。新型インフルエンザと思われたその患者は、治療法が見付からず死亡。やがて院内感染が発生しウイルスの猛威は全国的に広まっていく…。

 

覗かせていただいているちびゴリさんのブログで紹介されていたので、今この時期だからこそ観てみようと思い今回もアマゾンプライムで観てみました。

発生源を特定して、治療法を探っていかなければならないというのが、実に今の「コロナウィルス」と酷似しているなぁと改めて感心しながら観ていました。

フィリピンでの離島でのシーンは患者をゾンビ扱いしているようにみえてしまったので

自分的には少し残念でしたが、パンデミック的にひろがっていく恐怖は十分に感じることができました。

大沢たかおのお医者さんも良かったですが、妻夫木もなかなか似合っていたと思います。カンニング竹山さんはちょっと下手だったかな(笑)、爆笑の田中裕二はせつない演技を上手く演じられていましたね。

アメリカ映画の「アウトブレイク」も観てみたいと思います。