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プロジェクターとスクリーンで自宅で映画を楽しんでいます。

🎬 戦火の勇気

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1996年 20世紀フォックス

監督:エドワード・ズウィック

出演:デンゼル・ワシントンメグ・ライアン、マット・ディモン

【あらすじ】

湾岸戦争中、自らの誤射により親友を失ったサーリング大佐。軍によりその暗い過去をもみ消され、帰国後、新たな任務として名誉勲章候補者の選出を命じられる。候補者は殉職した救出ヘリの女性パイロット。彼女に決まれば史上初の女性への名誉勲章となるが、その死についての部下の証言は微妙に食い違っていた……。

 

またまたデンゼルの作品ですが、この作品にはなんとメグ・ライアンが出演されています。それも軍隊の中でバリバリの女性士官、ちょと似合わない感もありましたが、やはりファンとしては可愛いのでなんでも許す(笑)、そんな感じでメグをひたすら見てました(笑)、しかしこんな意外な役どころを受けたのに「ゴースト」「羊たちの沈黙」「プリティウーマン」のオファーを断っているのが解せないところです。ストーリーは、まるで『藪の中』を思わせる展開で、部下たちの証言毎に同じシーンが違うセリフと展開で描かれていきます。真相はどこにあるのか観ている者を飽きさせない見事なサスペンスドラマになっていると思います。ラブコメからの脱皮をしようとしているかのメグ・ライアンデンゼル・ワシントンのいつもの熱演が光ったいい作品だと思います。メグはこの作品の後もラブコメを中心に出演してしまうんですよね…(-.-)

見終わったあとに、ジャケットを見ると感動がさらに増しました。

 

 

🎬 夜の訪問者

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1970年 フランス

監督:テレンス・ヤング

出演:チャールズ・ブロンソン、リブ・ウルマン、ジル・アイルランド

【あらすじ】

フランス南部の港町で、妻と娘の3人で静かに生活をおくり、観光客相手に釣り船商売を営むジョー(チャールズ・ブロンソン)。しかし、彼には戦友ロス(ジェームズ・メイスン)との間に忘れがたい過去があった。ある夏の夜、突然ロスの使いという訪問者が現れ、生活は一変する。彼を始末したジョーの前にロスとその仲間が姿をあらわす。彼らはジョーの家族を人質にとり、麻薬取引に協力させようとするが、本当の狙いは過去の恨みを晴らすことだった。ジョーは愛する妻子を救出するために彼らに立ち向かうが・・・。

 

久しぶりにブロンソンの作品を観てみました。「大脱走」「荒野の七人」をみてファンになられた方が多いと思いますが、もちろん私もその一人です。お約束のマンダムCMの、あごをさわりながらの真似をしたものです(笑)。「さらば友よ」「雨の訪問者」「狼の挽歌」、そしてこの「夜の訪問者」と次の「レッド・サン」、ブロンソンヨーロッパ映画出演の時が最も印象に残っています。この作品は、監督がテレンス ヤングでそれに引かれて見てみました。特に凄い映画を観た感はないのですが、当時の車でのカーアクションもあり、銃撃戦もあり、手堅くまとまっていると思います。作品そのものよりも、ヒゲ、ワイルド、しかし冷静さもあわせもつ、そういう脂の乗り切った50才のブロンソンに出会える作品だと思います。

 

🎬 おとなのけんか

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2011年 フランス

監督:ロマン・ポランスキー

出演:ジョディ・フォスターケイト・ウィンスレットクリストフ・ヴァルツジョン・C・ライリー

【あらすじ】

ニューヨーク、ブルックリン。11歳の子供同士の喧嘩の後、話し合いのため集まった2組の夫婦、リベラルな知識層であるロングストリート夫妻(ジョディ・フォスター/ジョン・C・ライリー)とカウアン夫妻(ケイト・ウィンスレット/クリストフ・ヴァルツ)。
冷静に平和的に始まったはずの話し合いは、次第に強烈なテンションで不協和音を響かせ、お互いの本性がむき出しになっていき、やがては夫婦間の問題までもが露わになっていく。

 

ジョディ・フォスターの作品を観たくてたどりついた作品でした。まるで舞台の演劇をみているように、部屋の中で4人だけで物語は進行していきます。こういう設定ははじめて見たような気がします。それぞれの俳優さんの台詞もたっぷりあるのでカットはどうしたんだろうと思うくらい、台詞が矢継ぎ早に発せられるのは見ていて俳優さんの凄さを感じる作品でした。2大女優の演技もさることながら、携帯電話がいつもかかって来る、空気が読めないクリストフ・ヴァルツの演技が実に見事でした。コメディとして紹介されていますが、これはコメディではないように思えます。現代社会の教育問題であるモンスター・ペアレンツの問題を提起しているというか、皮肉っているように私は思えました。流石,ポランスキー監督作品です。   

🎬 雨あがる

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2000年 東宝

監督:小泉堯史 脚本:黒澤明

出演:寺尾聡、宮崎美子原田美枝子

【あらすじ】

職もなくあてのない旅をする武士「三沢伊兵衛」(みさわいへい)、そしてその妻「たよ」。ある日大雨で足止めを喰らい、立ち寄った宿で、さまざまな人々の喧嘩に出くわす。命危険を顧みず、仲を取り持つ伊兵衛。その一部始終は藩主の目に届くこととなる。藩主は伊兵衛の人柄を気に召し「剣術指南番」として城に迎い入れようと申し出る。

 

小泉堯史監督の初作品です。個人的にこの監督さんの作品はお気に入りです。「阿弥陀堂だより」「博士の愛した数式」など、どれも主演は寺尾聡ですが、実にいい感じで肩の力を抜いて演じられているのが実にいいです。殿様役の三船史郎って三船敏郎さんの息子さんだったんですね。台詞の棒読み感はわざとかなと思わせる大根役者ぶり、どこか間抜けな殿様を演じているなら見事でした(笑)。

黒澤明脚本だけあって、階級社会や、藩主や藩士の生活模様が時代考証の元に描かれていて、下人の宴の描写など、貧しい中にも娯楽があり、幸福感が漂ってました。どこかあの名作「七人の侍」の農民たちを彷彿させてくれるシーンもあり、その中でも特に原田美枝子の演技は凄みがあって光ってましたね。

『大切なのは何をしたかより、何のためにしたかです。』劇中の台詞です。この言葉にはっとさせられました。良い悪いというのは、表面だけで判断すると見誤ることがあります。だからこそ、判断をくだす必要にある立場の人には真贋を見分ける目を持っていてほしいものです。静かで温かみのあるいい作品でした。

🎬 メジャーリーグ

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1989年 アメリカ パラマウント

監督:デヴィッド・S・ウォード

出演:トム・ベレンジャーチャーリー・シーンレネ・ルッソ

【あらすじ】

インディアンズの新オーナーはフランチャイズの拠点をクリーブランドからマイアミへ移すために、三流プレイヤーばかりを集めて故意にチーム最下位を狙うが、それを知った選手たちは一致団結リーグ優勝を目指す。

 

こういう楽しいしちょっとはちゃめちゃな作品もたまにはいい(笑)、個性的なならず者ぞろいの弱小球団が 一発奮起して栄冠を勝ち取るというストーリーは 定石中の定石ながらやはり面白いです。また監督をどこかの鉄工所のおやじを電話で呼びつけるなんかは本当にべた(笑)。スポーツものは弱者や素人が意識変革により成長して目標を達成しようとするところに醍醐味があると思うのですが、この映画はそうした要素をきちんと満たしています。最後のスタジアムが満員になり大歓声がおこるシーンは圧巻でした。大音量でサラウンド全開でもう一度みてみるとまさに臨場感満点!。それとレネ・ロッソのデビュー作なんですね。彼女は「マイ・インターン」での印象が強く気になっていましたがお美しいデビュー作でした。しかし本物の球団をそのまま使うのはアメリカらしいですよね。本物のインディアンスはこの作品の公開後、長い低迷から抜け出し黄金期を迎えることになりました。

 

🎬 2重螺旋の恋人

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2017年 フランス

監督:フランソワ・オゾン

出演:マリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レミエ、ジャクリーン・ビゼット

【あらすじ】

クロエは原因不明の腹痛に悩む女性。精神分析のカウンセリングを受けることで痛みから解放された彼女は、分析医のポールと恋に落ち、同居を始める。そんなある日、クロエは街でポールそっくりの男を見かける。彼はポールの双子の兄で精神分析医のルイだった。なぜポールはルイの存在を隠していたのか。疑惑にかられ、偽名を使ってルイのクリニックに通い始めたクロエは、傲慢で挑発的なルイに惹きつけられていく…。

 

この作品はふくさんのレビューを拝見して、オゾン監督なのでぜひ見てみたくなった作品です。実に見ごたえがありました。ストーリーは単純なのにラストに近付くにつれて、妄想と現実が入り乱れ,複雑さが増していき、観ている者を混乱させていく構成になっています。その混乱は主人公の妄想の度合いが激しくなったことの表れなのか、観る者は、妄想なのか現実なのかがわからなくなっていきます。流石の作り方でした。アメリカのハリウッド作品に見慣れていくとこういう作風がすごく斬新に感じました。これからも注目していきたい監督さんです。ジャクリーン・ビゼットが懐かしく見ることができました。


 

🎬 タイタンズを忘れない

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2000年 アメリカ ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ

監督:ボアズ・イエーキン

出演:デンゼル・ワシントンウィル・パットン、ヘイデン・バネッティー

【あらすじ】

 1971年のバージニア州アレキサンドリアの保守的な田舎町で、白人の高校と黒人の高校が統合され、アメフト・チームのタイタンズも黒人コーチのブーンが担当することになったことから、チーム内も町も大騒ぎとなってしまう。そんな折り、転校生ロニーがチームに加入したことで、やがてチーム全員がひとつになり、連戦連勝を重ねていく…。実話をもとにした友情と青春のスポ魂作品。

 

デンゼル・ワシントンの作品は最近よく見るようになりました。こいう正義感の強い役柄が私はすきですね。実話に基づいたスポ魂ものですが人種差別をメインテーマに扱っています。日本に住んでいると人種差別について身近に常に感じる機会というのは少ないと思いますが、欧米では計り知れない人種の問題を抱えいるのかと思います。デンゼル演じるコーチはパワハラめうた言葉も多々ありますが、時にはそういうことも必要ではないかと思ってしまうところがスポ魂もののいいところかもしれません。

当時どのような人種差別があったのか、どのような事件があったのかを少し勉強して見れば、さらに楽しめる作品であると思います。エンドロールは実に良かったです。